医療事務は要確認!クリニックでも社会保険と雇用保険の加入は必須

職種が医療事務ではなくても週の労働が30時間を越える場合は、必ず社会保険に加入しなくてはなりません。

クリニックによっては労働環境が整っていないというお話は存じ上げておりましたが、稀に面接の際に前職のお話を聞く中で、「社会保険に加入せずフルタイムで働いていた」という話を聞く機会があります。

結論から申し上げるとこれは法律違反です。

(2016.5.25 追記)
個人開業医のクリニックで、常時使用するスタッフが5名未満の場合を除きます。下記追記で詳しくご説明します。
(ゆり様よりコメントにてご指摘いただきまいた。ありがとうございました。)

本来は雇用主がルールを把握していなくてはなりませんが、医療事務として働かれている方ひとりひとりがご自身の待遇を確認することも大切です。

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個人開業のクリニックか医療法人のクリニックか

(2016.5.25 追記)
コメントにてゆり様よりご指摘いただきました件、詳しくご説明します。

入職されるクリニックが「個人開業」か「医療法人」かで、下記のように加入条件が異なります。

①個人開業・常時使用するスタッフが5名未満の場合

社会保険(健康保険・厚生年金):加入できない場合がある

個人開業のクリニックで、常時使用するスタッフが5名未満である場合は、クリニックが社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する義務がありません。

「加入する義務がない」だけで、所定の手続きを行えばこの条件のクリニックでも社会保険に加入することはできます。

お勤めのクリニックが社会保険に任意加入している場合は、スタッフ本人の希望に関わらず加入することになります。

雇用保険・労災保険:加入義務あり

雇用保険はクリニックの規模に関わらず加入義務があります。

週の所定労働時間が20時間以上で、なおかつ雇用見込日数が31日以上の方が1名でも入職していれば、クリニックは雇用保険に加入しなくてはなりません。

常時5名とは

個人開業のクリニックにお勤めでも、「常時5名以上のスタッフがいる」という条件を満たせばクリニックに加入義務が生じます。

「5名以上」をカウントする際、院長先生は事業主である為含まれません。従業員であれば、社員・パートに関わらずカウントしますので、「午前中のみ勤務しているパートの方」など、短時間勤務の方も「1名」としてカウントされます。

常用社員(正社員、パートを含み、日雇いは含みません。)が5人以上になった場合は、クリニックは社会保険への加入しなければならず、勤務されている方にも労働時間によって加入義務が生じます。

②個人開業・常時使用するスタッフが5名以上の場合

社会保険(健康保険・厚生年金):加入義務あり

雇用保険・労災保険:加入義務あり

週20時間以上の勤務があれば雇用保険に加入できます。また、週30時間以上勤務していれば社会保険にも加入できます。

③医療法人の場合

社会保険(健康保険・厚生年金):加入義務あり

雇用保険・労災保険:加入義務あり

規模に関わらず社会保険・雇用保険に加入できます。

週20時間以上の勤務で雇用保険に、週30時間以上勤務で社会保険に加入できるという部分は共通です。

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雇用保険とは

雇用保険は週の労働時間が20時間を超える場合必ず加入しなくてはならない保険です。

従業員の負担率が少ないのが特徴で、現在の職を退職した際には失業給付を受ける権利が得られる保険です。

自己都合退職の場合

退職された理由によって給付までの期間が異なりますが、自己都合退職の場合には、退職日から逆算して2年の内に、雇用保険に加入している期間が12ヶ月以上あるときに受給資格者になります。

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社会保険とは

従業員が加入する健康保険と厚生年金のことを指します。

週の労働時間が30時間を超える場合は、クリニックで社会保険に入ることができます。

「パートの場合は加入できないと思っていた」という方もいらっしゃいますが、雇用形態は関係ありません。

加入条件は「週の労働時間が30時間以上である」というこの1点のみです。

(2016.5.25追記)
個人開業医のクリニックで、常時使用するスタッフが5名未満の場合は加入できない場合があります。

健康保険

医療機関にかかる際に必要になる「保険証」と考えるとわかりやすいと思います。

協会けんぽ、組合健保、公務員共済、船員保険、国民健康保険(国保)などがありますが、務めている会社の業種によって決定するものもありますので、従業員側からどの健康保険に入るかを選ぶことはできません。

※このあたりの知識は医療事務の勉強でも詳しく出てくるので、医療事務として働くなら最低限知っておきたいところでもあります。

医療事務としてクリニックに雇用される場合は、協会けんぽか医師国保かどちらかに加入することになります。

参照:医療事務は医師国保と協会けんぽどちらがメリットがあるか

厚生年金

年金には国民年金と厚生年金があり、国民年金は従業員でなくても納付義務があります。

週の労働時間が30時間以上の場合は厚生年金に加入する必要があります。収めるべき年金のうち半額は勤務先が負担する仕組みになっているので、将来年金を多くもらいたいと思っている方はこちらにも加入します※

※本人の意思で加入、非加入を選ぶことはできませんが、週の労働時間を30時間未満に設定することで加入を回避することもできます。

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保険・年金に加入していない場合どうすれば良いか

1日8時間労働しているとすると、シフト制であっても週3日以上コンスタントに仕事をしていれば、雇用保険加入の対象となりますし、週4日以上であれば、社会保険にも加入できます。

ご自身がこれらの保険に加入していない場合はまず週の労働時間を確認しましょう。

週の労働時間を満たしている場合は、クリニック側には加入させる義務がありますので、院長先生、もしくは事務長様へ相談するのが良いでしょう。

(2016.5.25 追記)
個人開業医のクリニックで、常時使用するスタッフが5名未満の場合を除きます。詳細な条件は上項を参考にしてください。

相談しても断られた場合

本来は断ることはできませんし、そもそも指摘されているだけで問題なのですが、このような状態で断られるというケースもあるようです。

労働基準監督署に相談しても良いでしょうし、波風を立てたくなければできるだけ早く転職を考えましょう。

クリニック専門医療コンサルタント。
都内クリニックの事務長を11年経験し独立。
現在は関東圏のクリニックへ人材教育と採用活動を通したコンサルティングを行っている。医療事務・看護師の面接回数は合計800回を超える。
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