クリニックで患者様にアンケートをとるならタイミングが重要

院内で起こっている潜在的なクレームを未然に発見する為には患者様へ匿名のアンケートを行うことが有効です。院長先生が患者様の声を直接聞く方法もありますが、これでは聞けない院長先生には直接は言いにくいことを聞きたい時に実施されます。

アンケートは患者様の潜在的なニーズを把握するには有効で、経費がほとんどかかりません。

ただし、ターゲットを決めずにご来院の患者様全員へアンケートをお願いする際は、タイミングを間違えるとかえってダメージを負うことになります。

積極的にアンケートをとるべきとお考えの院長先生も多いかと存じますが、そこへ踏み切る前に是非ご一読ください。

スポンサーリンク

効果的な一斉アンケートのタイミング

院内で行う一斉アンケートは、院内をより良い状態にする目的で、潜在的な不満点をあぶりだすために行われます。つまり、思いあたる改善点を行った上でそれ以上を求める時に行うツールなのです。

患者様へ一斉アンケートを行うのであれば、院内改善を行うタイミングではなく、院内改善の仕上げとして行いましょう。

このタイミングを間違うと下記のようなリスクを招きます。

スポンサーリンク

タイミングを外した一斉アンケートのリスク

院長先生にタイミングの助言を行っても聞き入れていただけない場合もありますので、間違ったタイミングでクライアントの一斉アンケートを行った経験もあります。

改善のスタート時にアンケートを行うと、患者様はクリニックへの不満な点を意識するようになりクレームの数も必然的に増えます。

その中でも、今まで不満を溜めていた患者様から、「前から思っていたんだけど」という内容が増えるので、院内の雰囲気が悪くなることもしばしばです。

クリニックの対応が特別変わっていないにも関わらず、患者様から診察内容やスタッフの接遇態度、待ち時間などの運営面についてのクレームが増えれば、スタッフの指揮にも影響します。

スポンサーリンク

不満な点に対応できないリスク

改善のスタートの段階でアンケートを行うリスクに関してご理解いただけたと思いますが、さらに問題なのが、アンケートで明らかになった点を改善できないケースを考えていないということです。

不満な点をあおってしまっているので、迅速にその点を改善しなくてはなりませんが、マンパワーや費用の問題で解決できないと、いただいた声を無視してしまう結果になります。

患者様も「せっかく答えたのに意味がない」というお考えになり、地域での評判を落とすことにもつながりかねません。

そうならない為にも行うタイミングは非常に重要なのですが、実際の失敗例を1つご紹介します。

会計までの時間が長いというケース

私のクライアントで、実際に2週間程アンケートを行った結果、かえって混乱を招いたケースがありますので、このケースを元にお話しましょう。

アンケートの期間は2週間。ご来院いただいている患者様全員を対象とし、お会計の後にアンケート用紙を渡し、ご記入後エントランスのアンケートBOXへ投函をお願いしました。

目的は医師・看護師・医療事務・その他のスタッフについての満足度を伺うもので、選択式のアンケートでしたが、最後に「その他お気づきになった点」としてフリーコメント欄を設けました。

アンケート期間が終わり、集計結果を出して確認したところ、それぞれのドクター・スタッフの評判は良かったものの、「診察が終わってからの待ち時間が長い!」というご意見が非常に多いという結果になりました。

※具体的な数の記載は避けますが、フリーコメントをご記入いただけたアンケートのうち、待ち時間に関するコメントが40%を超えていましたのでかなりの数です。
ところが、現状のスタッフの人数を増やさない限りこれを解決できず、人数を増やしたとしても1人あたりの待ち時間は5分と変わらないという費用対効果の低さもあって、この部分の改善は見送られました。

結果、患者様に不満点だけを伺って、何の解決策も実施しないまま診療を行い、現場からの聞いた話では、待ち時間に関するクレームが以前より増えてしまったようです。

こちらのクリニックでは、この後しばらく医療事務の離職率が上がり、そのたびに採用活動を行いました。

退職者へのヒヤリングによると、患者様からのクレームが増え、負担が増した。働きにくくなった。などが退職理由としてあがっていましたので、アンケート恐るべしです。

現在はこちらのクリニックも安定して診療を行うことができていますが、こちらの院長先生からは、「患者さんへのアンケートはもう行わない」と言われています。

※最後のケースはクライアントの院長先生に許可を得て、アンケートの失敗例として掲載させていただきました。スタッフの離職率が上がった原因は複合的であり、理由の1つとして挙がった程度ものであったことを申し添えます。

クリニック専門医療コンサルタント。
都内クリニックの事務長を11年経験し独立。
現在は関東圏のクリニックへ人材教育と採用活動を通したコンサルティングを行っている。医療事務・看護師の面接回数は合計800回を超える。

スポンサーリンク
横棒

関連型ユニット レスポンシブ

おすすめの記事

横棒

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする