2017年のインフルエンザ予防接種のワクチン量と価格と開始時期

既に報道のとおり、インフルエンザ予防接種のワクチンの製造量が、昨年より少ない見通しとなっています。

2017/2018シーズンは、例年よりインフルエンザの確認が早いにも関わらず、ワクチンの製造は遅れているという、かなり良くない状況です。

2017/2018シーズンのインフルエンザ予防接種のワクチン入荷の状況、価格についてもお話していきます。

(2017.12.2追記)

12月上旬にはワクチン不足も解消されるのではないかと予想していましたが、ワクチン不足は現在も深刻な状態です。

入荷時期は医療機関によって異なりますが、入荷し次第の接種になってしまうことが多いようですので、ご希望の方でまだ予防接種をされていない方は、HP等での情報収集が必要不可欠です。

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2017/2018シーズンのインフルエンザ予防接種情報

私が知りうる限りの今年度のワクチンの情報をお話しておきます。

ワクチンの製造量

報道によって製造量にやや差がありますが、昨年より4~8%減程度になるのではないかと予想されています。

厚生労働省は「適切な使用法を徹底すれば昨年度と同じほどの接種者数は確保できる」と説明しているそうですが、実際は昨年以上に製造数が少なくなっています。

「250万本以上」という数値が曖昧ですが、計算すると昨年より9弱少ないということになります。

毎日新聞

厚労省によると、ワクチン製造量は昨年度より4%減る見通し。ワクチンに使うウイルス株を選び直した影響という。

https://mainichi.jp/articles/20170826/dde/041/040/036000c

報道に1ヶ月タイムラグがあるので、厚生労働省が製造量を修正して発表した可能性があるのですが、厚生労働省のHPからは見つけることができませんでした。

どなたか詳しい方がいらっしゃたらお願いします。

昨年は、熊本地震の影響で、化学及血清療法研究所の製造量が落ちており、他の3社でカバーしたものの、2016年シーズンの製造量は2015年シーズンと比べて少なかったはずですので、それより少なくなるということです。

クリニックに納入される量

クリニックごとに、インフルエンザ予防接種に注力しているかどうかは変わりますが、多くのクリニックで実施されています。

医療機関では、薬品卸会社よりワクチンを購入しますが、昨年の実績がベースになっていますので、

少なくともシーズンの前半(10月~11月)は、「昨年より多く欲しい」という希望を出しても、聞き入れてもらえません。

 

(2017.12.2追記)

私のクライアントでは、毎シーズン300人のクリニックもあれば、1,000名行うクリニックもあり、かなりの差がありますが、現段階では、どの医療機関も例年の3割~5割程度の入荷のようです。

2017年は供給に遅れが出ている

2017年10月11日現在、例年より極端に入荷の本数が少ない状況です。

例年10月中旬までには、インフルエンザ予防接種を開始するクリニックが多いのですが、今年はワクチンの入荷が少なく、先行きも不透明な為、予約自体を控えているクリニックもあります。

私のクライアントでの話になりますので、あくまで目安ですが、

2017年の入荷量は、現段階で昨年の1/5にも満たないクリニックが多く、品薄状態が続いています。

 

(2017.12.2追記)

ワクチンの製造数は昨年の9割程度といわれていますが、現状品薄状態が続いています。

予防接種の効果を考えても、12月中には予防接種を受けておきたいところですが、ワクチン不足の為これが実現できるかはかなり微妙な状態です。

原因は薬品卸会社の出し渋り!?

あくまで噂ですが、ワクチン不足の状態が続くと、「薬品卸会社がインフルエンザワクチンの供給をコントロールしている」という話をきくこともあります。

あくまで噂レベルのお話ですが、過去、今年度のように「製造数が少ない!」と騒がれていたのに、シーズンの後半には、何故か安定供給されたというシーズンもあったことから、このような噂が立つのだと考えられます。

コントロールしているかは定かではありませんが、仮に行っている場合、混乱を避ける為に調整を行っているのでしょう。
2017シーズンは、医療機関への納期も非常に遅れており、ワクチンの入荷を見込んで予約をとるのは控えるよう、薬品卸からもお願いされています。

2017/2018シーズンのワクチン株

インフルエンザワクチンは、過去のデータからその年に流行る型の予測の元に製造されています。その為、毎年内容が変わります。

2014年までは3価ワクチンでしたが、欧米諸国にならい、2015年度より4価のインフルエンザワクチンが導入されました。

株が増えるということは、「予防できるウイルスの種類がが多くなる」ということだと考えてください。

2017年シーズンのインフルエンザワクチン株は下記のようになっています。

A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

国立感染症研究所 HPより

A型・B型どちらのインフルエンザが流行したとしても、その両方が流行したとしても、予防効果を発揮します。

価格の相場

医療機関によって大きく異なります。

13歳以上は1回接種です。
料金は1回2,000円~5,000円程度とバラつきがありますが、平均して、3,000円前後と考えておくのが良いでしょう。

 

私のクライアントでは多くの場合3,000円前後で、品薄とはいえ、価格は昨年とほぼ変わらない医療機関が多いのではないでしょうか。

2回接種の場合

6か月~13歳未満の方は2回接種する必要があります。

ワクチンの使用量が少ない為、一般価格とは別に、2回接種のプランを作っているクリニックもあります。

価格が高いインフルエンザワクチンの方が効果的か?

インフルエンザワクチンの効果は、どの医療機関で予防接種を行っても同じです。

日本の医療機関での取り扱いは、「デンカ生研株式会社」「北里第一三共ワクチン株式会社」「化学及血清療法研究所」「阪大微生物病研究会」の4社のうちのどれかですが、

価格や会社によって効果に差があることはありません。

医療機関での仕入れ値は、製造メーカーによって若干異なります。

報道と今後の予想

現段階では私個人の予想に過ぎませんが、「インフルエンザ予防接種ワクチンの不足」が報道され始めると、どのクリニックも昨年より問い合わせが多くなります。

 

インフルエンザウィルスはその感染力から、流行りだすとマスコミに過剰に取り上げられることも多々ありますので、正しい情報を得ることも大切です。

厚生労働省が報道発表資料を公開していますので、こちらから判断していくのが良いでしょう。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html

ハイリスク群の患者様を優先に

インフルエンザの予防接種は、「毎年必ず行う」という患者様と、

「普段は行わないが、今年のインフルエンザは流行しそうなので予防接種を行いたい」という患者様がいらっしゃることは、容易に予想することができます。

数が少ない時こそ、「ハイリスク群」と呼ばれる、重症化する危険性が高い方(65歳以上の高齢者の方や、慢性呼吸器疾患、 慢性心疾患の方など)が優先して行えるよう、

患者様にもご理解いただきたいと考えています。

2017/2018シーズンは9月に感染者が出ている

インフルエンザウイルスが最も猛威を振るうのは、例年寒さと乾燥が強くなる12~2月といわれています。

しかし、2017年シーズンは、既にインフルエンザウイルスの感染者が確認されており、ピークの時期は早まる可能性が指摘されています。

 

インフルエンザ予防接種を受けられる方は、毎年11月中旬までに行う方が多いので、今シーズンは既に流行中である可能性もあることが気がかりです。

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