クリニック経営ではスタッフに経営と売上の意識を持たせることが鍵

私はクライアントにコンサルティングを行う際、必ず見るポイントが幾つかありますが、「クリニック経営で大切なこと」の1つに、スタッフが経営意識を持って仕事に当たっているかということがあります。

営業系の会社ですと個人の数字とチームや会社の売上げ目標があり、それぞれが幾らで進捗がどのくらいで・・・ということはほぼ全てのスタッフが理解していると考えられますが、

クリニックの窓口でお預かりするのは、実際の費用のうちの1割~3割であることがほとんですし、売上目標を立てること自体が医療業界では稀ということもあり、このような視点をもって働いている医療事務スタッフは非常に珍しいと言えます。

医療と売上は結びつけるのが難しい概念でもありますが、スタッフひとりひとりが経営感覚を持って働くことができれば、クリニックの運営もより研鑽されることでしょう。

それによる弊害ともに解説していきます。

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売上と医療の違和感

「売上を把握して全員で経営を意識した医療を」

実際に使われたスローガンではありませんが、見る方によって賛否が分かれるのではないかと考えます。

すごく前向きに仕事をしているように見える方もいらっしゃれば、少し違和感がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そう、医療機関といえど利益を出していかねばならないというのは株式会社と同じなのですが、医療業界は患者様サイドから見れば一部奉仕のイメージがあるので、この考え方をそのまま適用すると大きな違和感がのこるのです。

患者様がお金に見えてしまったらおそらくその医療機関の息は長くないでしょう。

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スタッフが売上を把握すると良くない!?

よくクリニックの院長先生からは、スタッフに売上を把握されると仕事がやりにくいという旨も伺います。

おそらく「こんなに儲かってるんだからお給料を上げてください!!」と言われることを恐れているのではないかとも考えられます。

ドクターは高所得?

ドクターは儲かっている。エリートだ。高所得だ。

これは医療業界にいらっしゃらなくても皆さんが持っているイメージであり、看護師や医療事務をはじめとした医療業界で働いていらっしゃる方でも同じことを考えていると思います。

患者様がたくさん入っているクリニックはそれなりに売上があがりますので、当然オーナーである院長先生が大きな報酬を得ることになります。

ただし、私はドクターが負っているリスクを考えれば決して高くはないと考えます。

まず株式会社の社長様と同じように経営リスクがあります。診療科にもよりますが、医療機関を開業する際の初期投資は非常に大きいので、末長く地域の患者様とお付き合いができないと借金だけが残る事態も十分考えられます。

保険制度を利用する楽な商売!?

クリニックの経営についてあまりご存知ない方からは、こんな意見をいただくこともあります。しかし、地域の患者様に認識され、患者様を獲得していくということはそう簡単なことではありません。

開業して2年から3年は赤字が続き、この間の運転資金をどう確保しておくかというのが共通の認識です。

倒産のリスクは通常の株式会社より低いですが、背負う負債はその比ではありません。

医師としてのリスク(医療ミス・守秘義務他医師法という法律があります。)を負っており、
重大なことが起こった場合には(めったに起こりませんが)医師を続けられなくなることもあります。

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経営の意識を持たせる利点

ここまで問題点ばかりを挙げてきましたが、それでも私はクリニック経営をする上でスタッフ全員に経営の意識を持ってもらうべきだと考えています。

経営意識を持って仕事を行えば、ただ何となく仕事をしているよりずっと自分の成長を感じることができます。

さすがに一朝一夕でどうにかなるものではありませんが、クリニックとしての舵をこの方向に切り、スタッフを育てることで、「ココが自分の居場所だ」と思っていただきやすくなり、スタッフの定着率があがり、クリニックがより良くなるための意見交換も活発になるでしょう。

具体的な方法は次の記事でお話しします。

参照:クリニックの来院人数を把握するだけで生まれる効果

クリニック専門医療コンサルタント。
都内クリニックの事務長を11年経験し独立。
現在は関東圏のクリニックへ人材教育と採用活動を通したコンサルティングを行っている。医療事務・看護師の面接回数は合計800回を超える。

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