クリニックの福利厚生でタミフルの予防投与を活用するメリット

タミフルと聞くと「若い方の異常行動」のようにあまり良くないイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、ご存知のとおりインフルエンザの薬です。

詳しい成分などはどこか別のサイトで確認していただくとして、本日はクリニックの福利厚生の一環としてのタミフルの使い方についてお話します。

あくまで私からの提案で、タミフルを福利厚生の一環として予防投与しているクリニックはまだ少ないと思われますが、特にクリニックの院長先生、事務長様はご検討いただく余地があると考えております。

Contents

タミフルの予防投与

タミフルはインフルエンザの薬として有名ですが、予防投与としても使用できるため、病院・クリニックを問わず頻繁に用いられます。

同居している方がインフルエンザにかかってしまうなど、インフルエンザによるリスクが高い方は、どんなにケアしていても感染率が高くなります。

このような場合は予防投与を行ったほうが良いでしょう。ご存知のとおり感染前でも効果があります。

クリニックの福利厚生でタミフルを用いる

これからの時期はクリニックのような医療機関にはインフルエンザの患者様がいらっしゃるため、看護師・医療事務をはじめとするスタッフはインフルエンザ予防接種を受けています。(※私も受けています。)

しかし残念ながら予防接種の効果は100%ではなく、予防接種をしていてもインフルエンザにかかってしまうことがあります。

参照:4価インフルエンザ予防接種ワクチンの価格と機能

参照:インフルエンザ予防接種の目的

また、ご家族がインフルエンザにかかってしまうと、どんなに注意していても感染率が上がってしまいますので、そのようなスタッフには福利厚生の一環としてタミフルの予防的投与をしてはどうかと院長先生に提案しています。

実際のところ「よし!やろう」とおっしゃっていただける先生とそうではない先生がいらっしゃいますが、私はクリニック側で得られるメリットは大きいと考えます。

下記で詳細をお話していきます。

クリニックの費用負担と費用対効果

スタッフへの福利厚生とする場合費用はクリニック負担です。

※スタッフから半額程度もしくは全額をを徴収する方法もありますが、この方法ですとスタッフが希望した場合のみとなってしまい、希望しないスタッフがインフルエンザに感染していた場合を考えるとあまり良い結果にならないと考えます。

これを提案すると、中には「全員が感染したらそれだけで激しい出費になる」とご指摘をいただくこともあります。

インフルエンザに感染したスタッフがそのまま出勤して、患者様や他のスタッフに感染してしまったという最悪の結果を考えますと、それをあらかじめ予防できるかなり確実性の高い方法です。

ちなみに、中外製薬の発表によりますと、タミフルの予防投与におけるインフルエンザの感染率は、1.3%になっています。

特にクリニックでは少数で業務を行っており、人的な余裕がほとんどないというところの方が多いので、欠員を出さない為にもこのような配慮は必要であり、費用対効果も高いのではないでしょうか。

また、「当院のスタッフにはインフルエンザに対して万全の対策をとっている」という旨の院内掲示を行って、地域の医療機関と差別化を行うこともできます。患者様の中にはこれだけでも印象がよくなる方いらっしゃいます。

総じて費用対効果は高いはずです。

実施方法

インフルエンザに感染した方と接触した場合、2日以内に予防的投与を開始しなければ、十分な効果が見込めません。

予防投与でタミフルを服用する場合、タミフル75mlを1日一回、7日~10日投与となっておりますので、あらかじめ1箱ずつスタッフに渡しておき、使用しなかったものは回収すればよろしいのではないでしょうか。

保管場所をスタッフ本人とするか、クリニック保管とするかは意見の分かれるところですので、クリニックで保管しておいて、家族にインフルエンザの感染者が出た場合は申し出るとしても問題ありません。

ちなみにタミフルの備蓄期限は10年ですので、スタッフが使用しなかった分は保管しておき、来年同じように使用できます。

実施方法の注意点

タミフルをあらかじめスタッフに預けるという方法をとる場合は特にですが、実施する際は同意書程度はとっておいたほうが無難でしょう。

クリニック保管の場合は、申請書と同意書を1枚にまとめ、「下記に同意したものとする」としておけばよいでしょう。

・家族が感染した場合にスタッフ本人が使用するものとし、感染したご家族には使用してはいけない

・スタッフの感染を防ぐという目的以外には使用しない

・販売するなど本来の目的以外の用途が確認された場合は法的措置をとる

この程度の条項は最低でも記載が必要です。

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