医療事務が試用期間中に退職する場合と解雇された場合

試用期間の扱いについてご質問を頂きました。

後程状況から詳しくお話しますが、医療事務として採用され、2ヶ月間の試用期間を経て社員になれるはずが、「適正が認められない」という理由で社員になれなかったというものです。

現在使用期間で働かれていたり、これから内定が出て試用期間での仕事が始まる方には是非ご覧いただきたい内容です。

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適正が認められず本採用できない

ご相談を頂いた方のお名前を仮にAさんとします。

Aさんは医療事務未経験で入職しました。

いくつかのクリニックへ選考の応募をしては書類で不合格となり、先日初めてクリニックの面接まで進むことができ、面接官の方にまじめな人柄がとても気に入られ、未経験であることを了解の上、後日このクリニックから内定をいただきました。

医療事務として仕事をすることが目標でしたので、未経験から仕事を始める上で、「最初の2カ月は試用期間」という説明を受けましたが、その点は特に気になりませんでした。

もちろん医療事務の仕事を始めてみるとわからないことが多く、先輩社員に質問して教えてもらいながら、「自分としては少しずつ成長できている」と思っていましたが、

1ヶ月ほど経過したある日、院長先生と面談の機会があり、Aさんの働き方やスキルのレベルについてのお話がありました。

「医療事務として働けるレベルにないので本採用はできない」

15分から20分程の面談の中で本採用できない理由について様々なことを言われましたが、結論としては上記のような内容でした。

未経験とはいえ、できるだけ早く仕事を覚えるように努力し、普段の診療業務はイレギュラーがなければ対応できるようになってきている。まだレセプトはできないけれど、この1ヶ月で大分仕事を覚えてきた。

というのがAさんの考えで、どうもこの評価は納得ができませんでした。

※実話ですがご本人が特定できないように多少脚色しています。

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本採用の拒否と解雇

「試用期間」については別の記事でもお話しましたが、試用期間中は、本採用するかどうかはクリニックが全権を握るわけではありません。

参考:医療事務で試用期間ありの採用!試用期間中の待遇とは?

試用期間中であっても、最初から期間の定めのない通常の雇用契約が成立していると考えられており、目的は「労働者の適格性を判断するため」であり、採用するかどうかを判断するのではないとされています。

すでに雇用契約は行われていますので、「レベルが足りない」という理由で社員にしないということはできません。

もし本採用の拒否をするのであれば、社会通念上客観的に合理的な理由が必要です。

Aさんには全く当てはまりませんが、クリニックの売上を窃盗した、遅刻、早退が毎日のように頻繁に行われたなどの理由があれば、雇用契約の解除もやむなしと考えます。

短期間の契約を行った場合

クリニックによっては、適性をみるための期間として「試用期間」ではなく、3ヶ月や1年などの期間を定めた有期契約をする場合があります。

このような場合に、当初に定めた期間が経過すると、契約はどうなるのでしょうか。

法的な部分でお答えすると、形式的には雇用期間が定められていたとしても、目的が「適性をみるため」であれば、試用期間が定められているとして扱われるべきです。

試用期間の目的にかかわらず、短く設定した雇用期間が「満了した」という理由で簡単に社員を切り捨てることはできません。

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「適性が無い」といわれたのに残るべきか

これは難しい選択であると思います。

「適正がない」という評価を突きつけられても、そのクリニックで医療事務を続けていける方はごく一部でしょう。

実際のところは、たとえ法律的には残る権利があったとしても、そのクリニックで仕事を続ける選択をする方は少ないのではないかと思われます。

その選択は間違っていないと思いますが、1つだけ注意したいことがあります。

それは、「退職日をはっきりさせること」です。

退職日が決まっていないと、次の就職活動に影響が出ますし、出口の見えないトンネルを進み続けるようなものなので、とてもストレスがかかります。

ひどいクリニックですと、本採用はできないが、次に人が入って戦力になるまではいてくれないと困るといわれたなんてケースもありますので、本採用がないと決まった以上、例えクリニック側がなんと言おうとも退職日は契約の通りに実行しましょう。

有期の契約を結んでいないときは、その日から14日後に退職日を自分から設定してしまって問題ありません。

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Yasu

クリニック専門医療コンサルタント。 都内クリニックの事務長を11年経験し独立。 現在は関東圏のクリニックへ人材教育と採用活動を通したコンサルティングを行っている。医療事務・看護師の面接回数は合計800回を超える。
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