たいていのクリニックには看護師と医療事務が勤務しており、お互いの協力なしに正常な運営はできません。
院長先生をはじめ経営陣はお互いが協力することを求めていますが、お互いの待遇やプライドなどもあり、ぶつかりがちです。
看護師が強いクリニックもあるので、院内の不協和が全て医療事務のせいではないのですが、今回は医療事務が強いことが原因となっているケースを元に解決策を考えてみましょう。
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お局様の存在
「お局」と聞くと、クリニックより病院にいらっしゃるイメージが強いですが、クリニックの医療事務にも「お局」と揶揄される方がいらっしゃる場合があります。
勤続年数が長く、細かいところま把握をしているいわゆる「ベテラン社員」なのですが、
「お局様」と呼ばれているスタッフは、勤務態度の面から大抵評判が良くありません。
どのような態度の医療事務が嫌われるかは下記の記事をご参照ください。
教育係はお手本に
お局様はベテラン社員のため、スタッフの教育を担当することになるケースが多いのですが、教育の基準が厳しすぎたり、周りへの配慮が欠けている場合があります。
本来ご自身がお手本にならなければいけない立場ですが、
きちんと業務を教えずに、ミスをすると大声で叱責する
少し忙しくなると口調が乱暴になる。
気分次第で他のスタッフが挨拶しても無視される。
ドクターの前では敬語なのに看護師には敬語を使わない
などのような行動をとっていると、医療事務同士だけではなく、看護師にとってもコミュニケーションが難しいスタッフになってしまいます。
対策は「仕上げ係」
スタッフの関係から運営が上手くいかない時に行う対策は、教育係から外し、仕上げ係に任命するのが有効です。
多くを把握していることと、スタッフの教育ができることはイコールではないからです。
ベースは2番手、もしくは3番手の先輩社員に教育させ、細かい部分をベテラン社員がみるという方法が良いでしょう。
事務が看護師に指示!こんな時どうしたら良い?
看護師と医療事務は行う仕事も資格も違うのですが、クリニックでは看護師と医療事務の距離が近くなるので、かかわりも多くなります。
医療事務が看護師や患者様へ指示を出し、自分は動かないという態度をとっていると、「偉そう」と解釈されます。
私も現場で、看護師へ看護業務外の事務作業や掃除の指示を出したり、患者様へ雑な案内を行っている医療事務を何度も見たことがありますが、
違う職種の方に口を挟まれて、看護師が不愉快になる姿が目に浮かびます。
まずは面談
医療事務のスタッフが看護師にまで指示を出してしまう状態は、看護師が新人ばかりで業務を把握していない状態だったとしても、止めるべきです。
そのためにはまず院長先生か事務長様がスタッフの面談を行うことです。
ベテラン社員には業務の指示をしにくく、もし辞めるという話になったら今よりもっと環境が悪くなるというお考えの方もいらっしゃると思いますが、
裁量権が1名に集まらないようにするのは管理者の務めでもあります。
ベテラン社員の中には、責任感が非常に強いが故、「クリニック全体を自分が仕切らなければ・・・」と思い込んでしまっているスタッフもいますので、
業務の範囲や求めていることを具体的に伝え、理解を求めましょう。
意外と効果的なユニフォームの色分け
看護師の仕事に口を挟まないよう注意するのは当然として、スタッフのユニフォームを看護師と医療事務で分けるという方法が意外と効果的なのでご紹介します。
スタッフ全員が白衣を着ているクリニックでは、患者様から見分けが付かず、クリニックの医療事務を「受付にいる看護師」だと思っている患者様もいらっしゃいます。
ユニフォームの色を分け、見た目で明確な違いを出すことで、クリニックの何の仕事をするスタッフなのかを第三者からも明確にするだけでも、医療事務が看護師の仕事に口を挟むケースが減ったという事例があります。
まとめ
クリニックで主戦力となっているベテラン社員に権限を与えすぎると、お局化してしまうスタッフがでてきます。高いスキルとしてはクリニックにとって重要ですが、
組織として破たんしないよう、管理者が気を付ける必要があります。
ベテラン社員の全てがお局になるわけではありませんが、1名のスタッフに権力が集中してしまう組織構造も、このようなスタッフを生み出してしまう1つの原因です。
また、1名のスタッフに負担を集中させてしまうことで、責任感の強い方は、必要以上に頑張ってしまいます。その結果が空回りにならないよう、管理者がルールを設定するようにしましょう。