転職活動をしていると、ある程度同時進行で医療事務の面接を受けることになります。
クリニック側も、並行して他院を受けていることは想定済みですが、内定がきたクリニックが第1志望ではないときの保留方法についてお話しします。
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クリニックの面接の現状
クリニックの医療事務の場合、面接は多くて2回です。それぞれ面接後1週間時間が必要だったとしても、初面接から3週間ほどで結果が出ます。
2次面接を行うのは、面接でのフィーリングが良かった方が採用枠を上回る時で、通常は1回です。
競合がいない面接では、採用の場合、比較的早く結果が出ます。(通常2,3日)
内定の連絡は電話
内定の結果がでると、通常は携帯電話に連絡し、現状の転職活動の状況を伺いながら、内定を受けていただけるかどうかを確認します。
複数同時進行でクリニックの面接を受けている場合は、内定が出たクリニックとは別に第1志望のクリニックがあり、そこの結果が出てから、入職するかを考えたいとう状況も十分考えられます。
「ほかに受けているところがあって・・・」と言ってしまえば簡単ですが、印象は悪くなってしまいます。
さらに「いつまで待てばいいですか?」という質問が来ることも想定されますが、第1志望の選考の進み具合によっては、明確にいつまでと言えない状況も十分に考えられます。
誠意をもって対応すれば良いか?
先程も申し上げた通り、「他に受けているクリニックがあって・・・」という回答は一般的ですが、印象は良くありません。
最悪とまでは言えませんが、それに近いと考えてください。
クリニックの担当者からすれば、「うちは2番手(もしくはそれ以降)か・・・」という印象になってしまいます。
そもそも、面接では「是非貴院で働かせていただきたい」と言っておいて、この対応が誠意を見せていると言えるのかも疑問です。
少なくとも自分の発言に辻褄を合わせる工夫は必要でしょう。
バカ正直に話しても良いことはない
「誠意をもって伝える=正直に現状を伝える」と考えているのであれば、それは辞めた方がいいと思います。
「他に希望しているクリニックがあるので、そこの結果が出るまで待ってほしい。万が一不採用になったらあなたのところへ行きます」
このような発言は、恋愛に置き換えると
「あなたのことが好きだって言ったけど、実はもっと好きな人がいて、その人にOKもらえなかったら付き合ってもいいわよ」
に近いものがあります。
これでは、「自分のことが大切で相手の都合は考えられない自分勝手な人間」と、悪い方に自分をPRしてしまっているようなものですし、
「待ってくれる」という回答だったとしても、第一印象が悪くなるのは確実です。
良いに越したことはありませんが、「辞める会社」であれば、多少印象が悪化してしまうのは、場合によっては仕方ありません。
しかし、これがこれから働く医療機関ならば、出来るだけ印象が悪くならないような行動をとるべきです。
特に医療事務は女性の世界ですので、正直に話した結果どこまで噂がまわるか分かったものではありません。
少々大げさ化もしれませんが、バカ正直に答えることで、仕事を始めてから数か月間が、働きにくい環境になってしまうこともあり得ます。
転職したばかりでそんな状況は誰でも避けたいはずです。
誠意を持って伝えても延長できる期間は1週間
内定を保留できる期間は、通常1週間が妥当です。
先述のとおり、「他のクリニックの結果を待ちたい」は、内定者の常套句とも言えますので、他院の内定が出るまで、無条件に待ってくれるクリニックはほとんどありません。
例えば、「では1週間以内にお返事を下さい」と言われてしまったら、立場上交渉しにくく、最悪は内定取消(正確には辞退扱い)になってしまいます。
「うちが第一志望じゃないなら別に人にお願いする」と言われてしまっても文句は言えないし、どちらにしても、保留の限界は1週間とそこまで長くはありません。
内定を保留にするトーク例
「相手の印象を悪くして、保留できる期間が1週間」ではなく、「相手の印象を悪くせずに、保留できる期間を1週間より延ばすことができるかもしれない」トーク例をご紹介します。
少し考え方を変え、内定を承諾するまで「どう時間を稼ぐか」にフォーカスしてみましょう。
内定を保留した後、複数のクリニックから入職先を選ぶ時の考え方に関しては、下記の記事をご参照ください。
(経験者向け)条件面の打ち合わせで時間を稼ぐ
未経験の方にはちょっと難しいかもしれませんが、経験者であれば、
「面接時に概要はお伺いできましたが、具体的な仕事の内容と、条件面の確認をしたいので、内定を受ける前に打ち合わせのお時間を頂戴できませんか?」
と交渉することをお勧めします。
現職がある方であれば、「仕事の関係で」などと言いながら、打ち合わせの設定を1週間後以降に設定することも可能ですし、
「貴院で働くことを真剣に考えているからこその打ち合わせ」であれば、本気度が伝わり、印象が悪くなることもありません。
打ち合わせで何を確認するか
医療事務経験者であればおわかりになると思いますが、特にクリニックの場合は、行う仕事の範囲がクリニックごとに大きく異なりますし、
求人票の給与欄に19万円~25万円などの開きがあれば、スタートの段階でいくらで、どのような働きが評価されるのか、何を行うことで手当が付くのか、
賞与の規定はどうなっているのか、有給休暇を取得できる雰囲気なのか
確認することはいくらでもあると思います。
医療法人のクリニックであれば、法人内での移動の有無も確認しておきたいところですし、病院の医療事務に転職されるのであれば、配属される部署の確認も必要でしょう。
職場見学をしたい(経験者・未経者験両用)
未経験の方であれば、
「初めて医療事務として働くにあたり、どのようなクリニックか不安があるので、入職を最終判断するにあたって職場見学をしたい」
というトークは成り立ちます。
経験者に比べれば立場は弱いかもしれませんが、「新しく働くクリニックがどのようなところかを自分の目で現場確認したい」という主張は決しておかしくありません。
職場見学のAPOを「仕事の関係で」と引き延ばせば、1週間以上の猶予を勝ち取ることができる場合もありますし、
条件面の確認のために、「見学のあと時間が欲しい」と伝えれば、改めて打ち合わせを設定していただくことも可能でしょう。
「もしわからないことがあるならこのお電話で伺います」といわれたら
この「打ち合わせ、もしくは職場見学を希望し、現職の兼ね合いを元に、先の日程へ設定する方法」を用いる場合、1つ対策が必要です。
それは、「わからないことがあるなら、このお電話でお伺いします」と言われてしまうことでしょう。
「条件面は出してあるし、面接で質問にも答えているし、そんなにわからないことはないだろう」
採用側はこう思っているかもしれません。
あくまで例ですが、「私は転職先を非常に重要と考えているため、いま一度疑問点に漏れがないかを確認し、整理してから直接聞きたい」といった内容を話してください。
第1志望であっても打ち合わせを行うのがベター
通常、第1志望のクリニックから内定の連絡が来たら、「はい!よろしくお願いします」と快諾すると思います。
これ自体には問題はありません。
しかし、私は、たとえ第1志望のクリニックであっても、内定を保留するしないに関わらず、入社前に打ち合わせをした方が良いと思います。
これは医療事務経験の有無にかかわらずです。
面接で、最後に「何か質問はありますか?」(逆質問)と聞かれたと思まいますが、特に詳しい条件面に関しては、確認しにくいと思いますし、
そもそも確認できる項目数は限られています。
後から疑問がわいてきたということも含めて、「転職で後悔したくないから確認させてほしい」という訴えはごく自然だと言えますし、
内定をその場で快諾しているのですから、印象が悪くなることもありません。
まとめ
もうお分かりだと思いますが、内定の保留をするときは、他のクリニックの気配をにおわせずに、時間を稼ぐことをコンセプトにしましょう。
結果的に「保留」になればよいわけです。
この方法であれば、1週間~2週間程度であれば、結果的に内定の保留が可能です。