面接では志望動機や職務経歴の他にも様々な質問を受けます。
面接を行う担当官は細心の注意を払って面接を行っているはずですが、面接を受ける看護師や医療事務の方からすると「そこまで聞く!?」という感想を抱く質問があると思います。
結論から申し上げれば、面接での質問は、業務上の必要性が認められれば、デリーケートな質問でも、プライベートに関わる質問でも問題ありません。
Contents
既往歴
デリケートな質問の代表格として「既往歴」があります。
医療事務にせよ看護師にせよ、クリニックでは仕事の多くが立ち仕事であり、一般的な企業とくらべると身体的にも精神的にもハードになりがちですので、負担に堪えられない方は採用したくないというのは当然の主張です。
その為、既往歴(現在抱えている病気、今までどんな病気になってきたのか)は採用するクリニック側では重要な情報の1つです。
業務上の必要性があれば可。ただし・・・
冒頭でもお話しましたが、業務上の必要性が認められれば、健康状態について大抵の質問は問題ありません。(但し「HIV」「B型・C型肝炎」等感染症の有無に関して伺うことは禁じられています)が、差別にならないような注意は必要です。
YASUはどうしているか
私が面接する場合は、デリケートな質問をする場合は、業務上必要な質問である旨をご理解いただいた上で行うようしています。
病歴であれば過去2年の健康状態を確認しますが、それ以前のものは確認しないようにしています。
メンタル系疾患の場合
うつ病を始めとする「メンタル系疾患」に関して聞かれたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの過去の病歴を確認することにも問題はありません。
「個人情報では?」と思われる方も多いと思いますが、業務に与える影響は大きいので、私は「業務上必要な質問」に該当すると解釈しています。
合わせて、現在服用中の薬の種類や目的を伺うこともありますが、質問を行う前に本人の同意をとり、業務上の必要性を説明していますので今まで問題になったことはありません。
伺う場合の注意点(面接官)
ただし、メンタル系疾患の既往歴について質問を行う場合、注意しなければならない点が2点あります。
①直接業務に関係しない既往歴まで確認することは避けるようにしましょう。プライバシーの侵害や就職差別などを考えると、確認しすぎることはリスキーと考えます。
②過去の病歴が再発するケースを想定して、洗いざらい確認しないよう注意してください。過去の病歴で採用しない=就職差別とみなされる場合があります。
隠した場合どうなるか
健康状態に関する面接での質問に問題がない旨をお話しすると、求職者の方からは「病歴を隠したらどうなる?」という疑問が浮かぶと思います。
虚偽の申告をして業務上の支障が出なければ問題ありませんが、業務上の支障が出てしまった場合に、申告していなかったことが問題になる可能性は高いといえます。
「誰にも言わなければわからない」とお考えでも、どこから情報が漏れてしまうかはわかりませんし、虚偽の内容が悪質であれば、解雇対象となる可能性もあります。
家族や男女に関することに返答の義務は無い
人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地、思想及び信条、労働組合への加入状況、その他社会的差別の原因となるおそれのある事項を伺うことは禁止されています。(職業安定法5条の4 必要ない個人情報等)
特別な職業上の必要性が存在する場合は例外とも記載されていますが、少なくとも看護師や医療事務にこれらの必要性があるとは考えられません。
したがって次のような質問は面接で行ってはいけない質問に該当します。
家族構成を教えてください
ご両親の学歴を教えてください。
学校の学費は誰が出しましたか?
両親の職業や年収に関する質問
お付き合いされている方はいますか?
近々結婚する予定はありますか?
ご本人が聞かれて不愉快に感じなければ大きな問題にはなりませんが、上記のような内容に関しては、どのように業務に必要なのかを確認したうえで答えるようにしましょう。
まとめ
面接を担当する方は、応募者が質問の目的を理解できず、不快に感じる可能性が高い質問に関しては、事前に質問項目と評価基準を決めておき、業務上必要かつ良識ある適切な質問を行うよう配慮するよう心がけましょう。
普段採用に携わる方で、もっと細かい事例に興味がある方は、下記をご参照ください(外部サイトへ飛びます)
また、今回の内容からはやや外れますが、採用に関わっている方や「採用した方がが戦力にならない」「採用した方の定着率が悪い」といったことでお悩みの方に是非ご一読いただきたい良書ですので最後にご紹介させていただきます。