医療事務では、手当や賞与のことを考えずに、月給の金額だけで勤務先を選んでしまうと、年収が下がってしまうことがあります。
医療事務にも様々な給与体系がありますが、給与体系の代表的な罠を例に、転職で給料を下げないシュミレーション方法を一緒に確認しましょう。
なお、誤解のないよう始めに申し上げておきますが、ここでご紹介する給与体系は、全て合法です。
「わかりにくい」「一般的ではない」のは事実ですが、安易に飛び込んで後悔しないよう、きちんとシュミレーションを行いましょう。
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賞与(ボーナス)が無い
賞与の支給がある場合は、必ず「賞与の支給あり」という表記がありますが、稀にこの表記が無い場合もあります。
このブログでも度々お話していますが、賞与(ボーナス)は支給されなくても法的には問題がないので、支給しないというルールでも問題ありません。
特に大きな企業の事務職から転職される方に多いのですが、無意識に賞与まで含めた年収計算をしている場合があるので、注意が必要です。
月給が相場より高い場合は特に注意
「月給が高い」のは良いことではありますが、収入を決めるのは月給だけではありません。
最近の求人を見ていると、相場より月給が高めに設定されている代わりに、賞与なしとなっている求人を見かけることもあります。
「仕事は大変ですが給料は高い」というイメージのみで職場を決めてしまうと、年収ベース考えた時、年収が下がるということも考えられます。
必ず年収ベースで考えるようにしましょう。
どちらにしても、年収を基準に考えるようにしてください。
インセンティブ
その他にも、「基本給は低いが、インセンティブで稼げる」
という給与体系を売りにしているクリニックもあります。
インセンティブとは出来高払のことで、簡単に申し上げれば、「結果を出せばその分給与額も増える」という方式です。
インセンティブ制の給与体系を経験したことがない方には、分かりにくいこともあって、シュミレーションが併記されていることも多いのですが、誰でもシュミレーション通りに結果を出し続けられるかは疑問です。
インセンティブ制の落とし穴
インセンティブの割合にもよりますが、結果を出せば給料が上がるのがインセンティブ制のメリットです。
しかし、その分基本給が低く抑えられている場合も多く、生活がインセンティブ給に依存することで、月の収入に大きなバラつきがでてしまったり、有給休暇を使用した際は、基本給しか保証されません。
基本給が安い
月の支給額は相場なものの、基本給が格段に低いというケースも注意が必要です。
この場合、給与の形態が多くの「手当」から構成されおり、基本給といくつかの手当を合計した金額が給料になります。
給料の総額が医療事務の水準であれば、大きな大きな問題にはなりません。給与の水準に関しては『給料が安くても医療事務が人気職業なのはなぜ?』をご確認ください。
不確定の手当に注意
「基本給+諸手当」という給与形態で注意しなければならないのは、一定条件を満たさないと支給されない手当のです。
先述のインセンティブもこれに含まれますが、多くの場合スキルに関しての追加給として扱われるため、支給条件が曖昧である可能性があります。
手当支給の条件が定められている場合は、給与規定にその条件が記載されているはずですので確認しておきましょう。
不確定の代表格は精勤手当
この不確定の手当に該当するもので、良く見かけるのが「精勤手当」です。
精勤手当の定義はクリニックにより異なりますが、もし給与規定上「皆勤月のみ支給する」となっていたとしたら、
1日欠勤(有給休暇取得の場合は除く)しただけでも支給されないことになってしまいます。
基本給が安く設定されている理由
基本給が安く設定されているクリニックのほとんどが、賞与の出費を抑えることが目的です。
賞与の基準は「2ヶ月」「3ヶ月」など、月給換算であることが多いのですが、中には「基本給の2か月分」というルールに基づいているところもあります。
「賞与は基本給2か月分」という記載があった場合は、月給で20万もらっていても、その中で基本給が15万円であれば、賞与の金額は30万円です。月給の2か月分だと40万円ですので、大きな差がつきます。