医療事務へ転職希望の未経験の方から、志望動機添削のご依頼をいただきました。
現在はアルバイトでベーカリーにご勤務されていて、職歴は9年になるそうです。
ご本人は職歴がアルバイトのみであることに引け目を感じていらっしゃるようでしたので、前職との関連に関してもお話していきます。
Contents
応募する方の詳細
個人を特定できないよう一部情報を伏せて掲載しております。ご了承ください。
基本情報
お名前:なー様(仮名)女性
年齢:20代中半
志望動機の用途履歴書・面接
今までのご経験
高校を卒業後専門学校への進学された時から、ベーカリーへアルバイトスタッフとして入社。学生時代からおなじアルバイトを9年続けている。
職場環境は良いようですが、「これからもずっとアルバイトで良いものか」とお考えになり、専門職の医療事務を目指されました。
今回は新規開設のクリニックへ応募される際の志望動機に関して添削のご希望を頂いておりますが、過去にリニューアルオープンのオープニングスタッフとして働いたご経験があります。
アルバイトスタッフではあるものの、販売員の中心人物として備品の管理や発注、新人の育成なども任されていらっしゃるとのことです。
いただいた志望動機
私には医療の現場に少しでも関わってみたいという思いがあり、今までの接客業での経験も活かせるのではないかと受付事務を志望いたしました。また新たな医院の設立に際し、一から皆で協力体制を創り上げていくということにとてもやりがいがあるのではないかと感じております。
添削結果
履歴書にある志望動機の記入欄のスペースは通常3行程度ですので、頂戴した志望動機はかなり短くまとめられています。
「履歴書に記載する」という目的であればこの程度の文字数で良いと思いますが、「書類選考を突破する」という点を考慮すると、職務経歴書の最後に自己PRを載せるのが良い方法だと思います。
なー様の自己PRは下記の記事にて添削を行いました。
今回は履歴書の志望動機欄に記載するものとして添削しますが、私がこの志望動機を書かれている履歴書を拝見したとしたらという前提で、お伺いしたいことも書かせていただきます。
全てが予想である
頂いた志望動機を拝見すると、全てが「予想」です。
「接客経験が生かせるのではないか」「やりがいがあるのではないか」・・・これらの表現は医療事務が良くわかっていないという印象を与えてしまうので、確信がある書き方をしましょう。
上記の例で申し上げれば、「○○の点で接客経験が生かせると確信している」「○○という点にやりがいを感じる」と言い切る表現が良いでしょう。
何故医療事務なのか
「医療現場に少しでも関わってみたい」という表現・・・気持ちはわかりますが、極論を申し上げれば医療事務を目指される方は誰でもそうだと思います。
※正確には医療事務は医療の「現場」に携わるわけではないので、この表現は変えた方が良いでしょう。
たとえ医療業界に大した興味がなかったとしても、採用時に「興味がない」とわざわざ記載したり発言したりする方・・・今のところお目にかかったことはありません。
現職が全く医療と関連がないことを考えても、これ以外の理由が欲しいところです。
雇用するメリット
スタッフの中心人物であったとしても、残念ながら9年間アルバイトという経歴は、書類上では嫌われる傾向にあります。
そのためこの部分は入念なフォローが必要です。
先述した自己PRを職務経歴書に記載するのはもちろんですが、なー様を雇用するクリニック側のメリット考えながら、「アルバイトでしか職務経験がない」というハンデを逆手にとった志望動機にしましょう。
弱みを強みに変える志望動機の例文は下記をご参照ください。
また、異なる業界から転職される場合、面接で「今まで経験がどのように役に立つのか」という点をしっかりアピールしておきましょう。
アピール方法は下記の記事をご参照ください。
パソコンスキルについて
接客業のご経験の中には、現場主義でパソコンスキルが乏しい方もいらっしゃいます。
副店長のようなポジションであれば問題ないとも考えられますが、面接ではこの点にも触れておいたほうがよいでしょう。
上記を踏まえて添削した例文
現在まで約9年間ベーカリーの販売部でリーダーとして働いた経験から受付事務を志望いたしました。
未経験ではございますが、お待たせせずにご満足いただける接遇には自信があります。
業界が異なり大変恐縮ですが、新規店舗の設立経験を生かして、業務の一端を担わせていただけましたら幸いです。
解説
履歴書の志望動機欄は短いので、添削結果だけではなく例文も記載させていただきました。
細かい部分はなー様のご経歴に合わせてください。
「アルバイトでも店舗の中心で働いていた」という点と、「得意分野での貢献」をアピールしています。
面接では「業務の一端」とは何か?という質問をいただくことが予想されますので、「業界が異なるので全くわかりません!」ではなく、医療事務はどのような仕事かということを細かく把握するようにしましょう。