看護学科乱立でも看護助手は看護師を目指すべきか

「看護助手を志望する人は看護師を目指すべきでしょうか」
看護助手に関してよくいただく質問の1つです。

長いキャリアを考えれば、看護学校に通いながら看護助手としてアルバイトしするという方法は理にかなっているようにも思えます。

看護師になるメリットを、最近話題になっている看護学科乱立についてもふれながら見ていきましょう。

Contents

看護師になるメリット

看護師は国家資格ですので、看護大学もしくは専門学校に通う必要があります。

看護大学より専門学校の方がかかる費用は少ないですが、それでもかなりの費用がかかりますし、働きながら通学するというのは決して楽な選択ではありませんが、

今のところ、安定した職業に就くことができ、医療事務や看護助手より高い収入を得ることができるということは確かです。

また、パートナーの関係で移住地が移るなどの状況にも対応しやすいメリットがあります。

結婚や出産、ご主人の転勤といった人生の転機にも柔軟に対応できるのはこれからの時代の職種といえるかもしれません。

看護学科が増えている!?

看護系の学科は多くの大学で新設されています。

看護学科は近年急増し、26 年度は大学の3.3 校に1 校は看護学科を設置していることになる。

3.3大学に1校が看護学科!「大学と言えば看護」の時代!?26 年度の新増設は“スーパー看護ラッシュ”! 旺文社 教育情報センター  より

平成26年度の時点でこの状態であり、平成29年度(平成29年4月以降)に看護学科が設置される大学もありますので、まだまだ増えそうです。

看護学科の新設は、大学にとって近年低下している受験者を回復させる為の起爆剤としての期待もあり、新設ラッシュが続いていると考えられます。

「就職できない」はありえるか

今後の看護師の資格の動向については様々な意見がありますが、看護学科が上記のような勢いで増えていることから、「看護師の数が増え看護資格を持っていても就職できない看護師が現れるのではないか」という意見もあります。

しかし、現在は看護師不足ですし、今後どんどんと高齢患者が増えて負担が大きくなることを考えると、その必要性を大きく超えてしまうのにはかなりの時間がかかるのではないでしょうか。

「絶対に就職できる」とは申し上げられませんが、少なくとも「だから看護師になるのを辞める」という決定打にはならないと思います。

また、看護師資格を取得しても実際に看護師として勤務するかどうかは別の問題です。

いわゆる「潜在看護師」というやつですが、これだけ看護学科が新設されるとなると、将来の安定性のみを求めて希望する層も増え、結果潜在看護師の割合も高くなるのではないかと考えられます。

よって「看護資格を取得したがどこにも就職できない」という状況が起こるとしても、それはまだまだ先の話と言えます。

専門学校より看護大学へ行くべき?

学歴を重視するなら専門学校より大学の方が良さそう・・・

このように考える方は、安易に決めないようにしてください。

近年看護学科を新設する大学が増えているというのは前述の通りですが、新設されたばかりの学部では運営のノウハウが少ないので、質の高い授業が行われないことも考えられます。

特に新設の学科は入学しやすいので、入学のハードルが低い場合は魅力的な条件かもしれませんが、良く考えた上で選択することをお勧めします。

クリニックでは学歴は重視されないが・・・

採用側はこの状況をどう見ているのでしょうか。

看護師の数が増えれば、その質は玉石混合になることは容易に予想できます。

クリニックではほとんどの場合学歴は重視されませんが、総合病院の場合は学歴を考慮されるケースも考えられます。

ただ、考慮されたとしても、単純に「大卒か専門卒か」ではなく、「どこの」大学か、専門卒かという点を見るはずですので、単純に大学に入っておいた方が良いというわけではありません。

専門卒はいずれ居場所がなくなる?

大卒の看護師が増えると専門卒の看護師は段々と居場所がなくなるのではないかという意見もありますが、その一方で「大卒とは名ばかり」という評価の方もいらっしゃるはずですので、まずは実力を付けることだと思います。

看護助手のキャリアは必要か

看護助手としてのキャリアが看護学校へ通うことや資格取得後の就職について有利になるケースは少ないかもしれません。

もちろんそれは「直接的には」という意味で、パートの看護助手として勤務しながら看護師資格を取得し、その後同じクリニックで就職するという方法であれば、

クリニック独自のルールは把握した上で看護業務にあたることができますので、看護師のスキルとしては新米でもクリニックで働くことができるでしょう。

ただ、これらを実現する為には院長先生他周りのスタッフさんの理解が無ければ実現は難しいので、まずは将来のキャリアを考えた上で院長先生へ相談されるのが良いでしょう。

 

その他よく見られる記事

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事