医療事務に求められるパソコンスキルはどのくらいですか?
特にこれから医療事務を目指される方から良く頂く質問の1つなのです。
病院・クリニックに関係なく、医療機関では電子カルテを始め様々な機器が電子化されていますので、ある程度のパソコンスキルは必要です。
この「ある程度」という抽象的な概念が混乱を招いているともいえますので、本日はこの部分を少し掘り下げてお話していきたいと思います。
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パソコンスキルの基準
医療事務を行うにあたりパソコンスキルが必要だというお話は様々なところで目にします。
私はパソコンスキルに関しては過度なものは必要ないと考えておりますが、それでも全く必要ないわけではありません。
例えば、電子カルテ1つとってみても、その多くはタイピングでの入力です。(最近は一部ペンで書きこむタイプのものもあります。)
使いやすく設計されているとはいえ、タイピングや入力のスキルがないと仕事の役には立ちません。
面接の際の答え方
私は面接の際かならずパソコンスキルを伺うことにしています。
堂々と「パソコンスキルに自信があります」と答えられる方はかなり少数で、通常は「どの程度できれば問題ありませんか」とご質問いただきます。
クリニックの設備や病院によっても基準となるスキルに多少差が出てくるかもしれませんが、私は週3日以上パソコンを使っていることという条件を挙げていました。
ところが、私の情報交換のパートナーでもある都内の某皮膚科の事務長は「キーを見ても良いので、両手でキーボードが叩けること」とおっしゃっており、クリニックによっても多少差があります。
全くできないのは問題外ですが、ワードやエクセルがある程度使用できる方であれば、電子カルテの操作を覚える基本的なスキルに問題ないと考えて良いでしょう。
私はオフィスのソフト以上のスキルは医療事務では必要ないと考えています。
もし現在オフィスのソフトをある程度使いこなせるスキルがあるのであれば、パソコンスキルより考え方のトレーニングを心がけた方がよいのではないかと考えています。
下記の記事をご参照ください。

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パソコンスキルの不足で困ること
医療機関の情報のほとんどはIT化されています。
電子カルテをはじめとする情報管理の端末を取り扱っているメーカーは多数ありますので、経験者の方であっても、今まで使用していたものとメーカーが違ったりすると慣れるまでに時間がかかる方もいらっしゃいます。
電子カルテやレセコンの基本はPC初心者でもできるだけ使いやすくというのがコンセプトになっているので、ある程度パソコンに慣れている方であれば困ることは少ないでしょう。
ただし、医療事務以外の仕事で困ることは出てきます。
特にクリニックでは、
「患者様の統計を出したい」
「販促の為のチラシを作って欲しい」
「○○に関する資料が欲しい」
など、スタンダードな医療事務の仕事以外の仕事も十分に考えられますので、パソコンスキルを高めていった方が良いことは確かです。
私は現状のパソコンスキルよりも、これからパソコンスキルを上げていくことに抵抗がないかということを重要視しています。
あまりお見かけしませんが、仕事でパソコンを操作すること自体に抵抗があるという方は医療事務として活躍するのは難しいので、別の職種をご検討された方が良いでしょう。

クリニック専門の医療コンサルタント。
都内のクリニックにて事務長を11年経験し独立。
関東圏のクリニックへ採用・人材教育・人事考課を中心としたコンサルティングを行っています。