クリニックで働くには、院長先生をはじめ、ドクターや看護師の方々との関係作りも大切な要素です。
医療事務未経験の方からすると違和感があるかもしれませんが、クリニックはドクターを頂点としたヒエラルキーな世界ですので処世術も必要なのです。
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評価が高い医療事務
一言で申し上げると、院長先生とベクトルを合わせることができる医療事務が評価されます。
大げさに言うと、院長先生が「これをやって欲しい」と考えていることを、言わなくても察する能力があるということです。下記にあげるのはあくまで一例ですが、クリニックでは次のようなスキルをお持ちの方が評価が高い傾向にあります。
院長先生の孤独を理解している
つまり、院長先生の気持ちになれることです。「経営者は孤独である」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、クリニックの院長先生は医師と経営者の2つの顔を持っており、孤独である場合が多いです。本来相談役として私のようなコンサルタントを傍に置かれるのが良いと思いますが、アドバイスなどできなくても、院長先生の孤独を理解できるスタッフには高いニーズがあると思います。
同じ立場同士であったり、ドクター同士であれば、理解者も多いと思いますが、医療事務でこれを理解してあげられる方はそうはいないと思います。
人の気持ちを察する力と、信頼を得るために数年の社歴は必要ですが、院長先生は孤独であることを前提に理解しようとすることから始めてみてはいかがでしょうか。
シフトの相談ができる
シフト制で運営しているクリニックに限りますが、シフトに融通を利かせてくれるスタッフの評価は高くなります。
医療事務の多くは女性が占めますので、お子様の体調、ご結婚、ご懐妊、ご主人のお仕事など様々な事情により、シフトが空いてしまうこともしばしばです。空いたシフトに入るということは、休日出勤を意味しますが、クリニックの「困った」を解決しているので評価は高くなる傾向にあります。
もちろん代わりに代休をきちんといただけることが条件ではありますが、運営を助ける行動をこころがけるのも良いでしょう。
レセプト算定に詳しい
医療事務の仕事としては当然のような気もしますが、ドクターの算定やマニュアルで決まっている事項について指摘できるスタッフも評価が高いです。
特に、現状行っている算定に対して、さらに良い方法を提案できる力を持っているスタッフは重宝されます。
クリニックにお勤めの医療事務の場合、院内の仕事からのみでは、レセプトスキルの向上には限界がありますので、外部の勉強会に参加したり、医療事務同士のネットワークを積極的に構築することによって、所属するクリニックに有用な情報を仕入れる必要がでてきます。
医療事務を超えたスキルがある
個人差はありますが、医療事務のスキルは勤続年数が長くなれば上がってきます。しかし、それ以外のスキルとなると、前職、前々職での経験に頼るというのが実情です。
・院内で使用するポップ(チラシ)を作成できる
・限られた予算の中で院内のレイアウト変更ができる
・患者様を集める為のアイディアを出せる
・ホームページの更新ができる
医療事務のスキルはもちろんのことですが、誰が行うのかあいまいな仕事の中で得意なスキルがある方は重宝されます。「2本目の刃を持つ」という考え方で、得意なことを2つもち、それを組み合わせることで、他の医療事務とは違うオンリーワンの立場を築くことができます。
<参考>
PCスキルがある医療事務も評価が高い
パソコンスキルが高い方に関しても評価は高くなる傾向にあります。
パソコンスキルに関しては、『医療事務に求められるパソコンスキルと面接での答え方』でもお話していますが、本来医療事務の業務を行うのに必要なレベルはそこまで高くありません。
しかし、電子化された環境で仕事を行う以上、あればあるに越したことはありません。
何をもってPCスキルというか
クリニックごとに基準が異なりますが、小さな医療機関ではPCに詳しい方は少ない傾向にあります。一般レベルで言えば「そこそこ」くらいのレベルでも「できる」という評価になりがちです。
おおまかにですが、
・大まかなレベルでタッチタイピングができる。
・電子カルテやPCの簡単な不具合の調整ができる。
・Windowsのトラブルを対処できる。
・院内ネットワークの仕組みを理解しており、業者に希望を伝えることができる。
というように考えておけば良いと思います。パソコンが苦手な方はそれ以外の部分で他のスタッフと差別化しましょう。