医療事務の選考では、書類選考と1回~2回の面接のフローであることが多く、筆記試験が行われることは稀です。
特に規模が小さいクリニックでは、面接以外に筆記試験が導入されているのは珍しいケースと言えます。
一方で、応募者が殺到していたり、自費診療を導入しているクリニックでは、面接前に筆記試験を導入しているクリニックもあります。
求人票に「筆記試験アリ」の表記を見つけたときは対策しておくのも良いと思います。
「医療事務の筆記試験」はクリニックごとにかなり違うためなかなか対策が立てにくいのですが、私が知る限りの情報をご紹介しようと思います。
Contents
医療事務の筆記試験での高頻出項目
私が知る限りの情報で恐縮ですが、医療事務の筆記試験として出題頻度が高い項目をにご紹介していきます。
筆記試験の傾向は医療機関によって大きく異なりますので、参考程度にお願いします。
医療事務の基礎知識
あくまで医療事務の「基礎知識」を求める内容ですので、医療事務経験がある方であれば特に大きな問題はないでしょう。この項目は自院の医療事務が作成していることが多く、出題元も資格のテキストであることが多いため、
医療事務未経験であっても、資格を取得している方、勉強されている方にとっては比較的簡単なことが多いです。
逆に経験があっても資格の取得から時間が経過している方の方が苦戦されることが多いと聞きますが、それでもあくまで医療事務の基礎知識ですので難易度は低いと言えます。
応募する医療機関の診療科に関する内容になることが多いので、特有の言い回しや医療用語は対策した方が良いかもしれません。
漢字
出題頻度が高いわけではありませんが、読み方を訪ねる問題もあります。
多くの医療機関では電子化の流れにありますが、すべてを電子化するのはなかなか難しく、
例えばメモを書いて渡す、口頭で診療内容を伝えるといった場合に、読み書きができないと業務上支障が出ます。
漢字の問題も、標榜している診療科目で使用されるものは対策をしておくのが無難です。
例えばこちらの漢字は読めるでしょうか?
「専ら」「宛ら」「御侍史」「範疇」「粉瘤」「痒疹」「高診」
「専ら」「宛ら」「範疇」は一般常識の漢字、「御侍史」「高診」は紹介状で良く使用します。「粉瘤」と「痒疹」はともに皮膚科のクリニックへの就職をご希望であれば読めて当たり前のレベルです。
参考「ご高診の程お願いします」医療業界特有の表現と丁寧な理由』
一般常識
ここでいう一般常識とは、患者様への敬語の使い方に代表される「ビジネスマナー」や、簡単な時事問題などです。
稀ですが計算問題が含まれていることもあります。
医療事務の知識があっても、一般常識がない、もしくは足りない方は、勤める医療機関によっては魅力的に映りません。
対策は難しいですが、最低限のビジネスマナーを学んでおけば、筆記試験を終えて医療事務として働く上でも役に立ちます。
患者様対応の例
2、クリニックでの「通常の待ち時間」の範囲内であれば、その旨を患者様へ説明する。
3、こちらの不手際でお待たせしてしまっている場合は上司に相談する。
患者様にご説明する場合は「お待たせして申し訳ございません。あと〇〇分で(もしくは〇人目)でご案内できるかと存じますので、もう少々お待ちください。」とお伝えし、ご指摘いただいた旨を上司や看護師へ伝える。というのも良いと思います。
医療機関によって対応が異なるので、厳密には正しい答えはいくつもあるとは思いますが、特定の状況下における行動を、協調性や正確性の観点からみていると考えられます。
※記述問題を想定しているので少し長くなりましたが、どのような仕事を想定しているかで回答は大きく変わります。これが大正解というわけではありませんので、参考程度にかんがえてください。
時事問題
病院の採用試験では、時事問題を取り扱う場合もあります。
新聞やニュースから情報を得て、世の中がどのように動いているかを俯瞰する能力が求められるので、一朝一夕での対応は難しいでしょう。
最低限の世の中の動きがわかっているかを見るとともに、医療業界や医療事務という仕事に対して、どれだけ関心があり、真剣に取り組んでいるかを確かめるのが目的です。
「時事問題に詳しければ真剣なのか?」という点には賛否両論あるかもしれませんが、医療に関するニュースを知らなかったり、理解できている方の方が真剣であるというのはあながち間違いではないかもしれません。
新聞から情報を得る場合は、医療関連のニュースのほかに、一面になっているニュースくらいは押さえておくべきでしょう。
筆記試験を行う目的
筆記試験の対策も大切ですが、筆記試験を行う目的を考えておくと、のちの面接で役立つこともあります。
真剣な人を採用したい
特に「未経験の方でも応募可」とすると、医療事務の募集には人が集まります。
未経験の方は、採用側からすると玉石混合ですので、筆記試験を設けることで意識の低い候補者をふるいにかけることができます。
応募者全員と面接する時間はないが、書類選考では絞り切れない場合も有効な方法です。
クリニックで筆記試験を行う場合そのほとんどが自院での手作りとなるでしょうから、おのずと出題の内容も「このくらいは理解していてほしい」項目です。
筆記試験の手ごたえがなかったとしても、面接に進むことができたときは、出題項目について猛勉強していくと結果が出やすいのではないかと思います。
筆記試験は形式だけのこともある
内部情報ではありますが、形だけ筆記試験を行うものの、点数が合否に大きく関係しない場合もあります。