マイナンバー制度とは?医療機関で必要な対策

2015年10月よりマイナンバー制度が始まっています。

特に医療分野の個人情報は病歴、服薬履歴、健診結果などデリケートな問題が多く、個人の社会生活にも大きな影響があることを考え、万が一にも漏洩などということがあってはいけません。

当然のことですが、マイナンバーの取扱いには十分な注意が必要であり、スタッフ全員の共通認識とする必要があります。

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マイナンバー制度の概要

一般的には「マイナンバー制度」と呼ばれていますが、正式名称は「社会保障・税番号制度」というそうです。

マイナンバーとは12桁の番号で、国民ひとりひとりに割り振られることになっています。手続きで個人特定を一本化することで、行政機関の手続きに関する手間を省き、税や社会保障に関する透明性を高めることが目的です。

国民にとっては、利便性が高まり、公平・公正な社会を実現する基盤となる制度となっています。。

ナンバーはどうやって決められるか

マイナンバーの12桁は完全にランダムで決められています。

最後の番号が1だから男とか、家族の番号が連番になっているなど、番号から個人を特定することができないようになっています。当然ですが生年月日や郵便番号が含まれていることもありません。

医療機関におけるマイナンバー制度の管理

「医療ID」がマイナンバーと連携し、個人の既往歴や投薬の種類がわかるようになる世の中が、2018年から段階的に始まり、2020年には本格導入されることになっています。

「マイナンバーが導入されると自分の病気が全て明らかになってしまう」など不安になっている方もいらっしゃるようですが、それはまだ先の話ですので安心してください。

医療機関でマイナンバーが必要になるのは、人事と経理の担当者ですので、主に事務長様が担当することになるのではないかと考えられます。

病院・クリニックの事務長様は、院長先生や他のスタッフの方々とマイナンバーの取り扱い方法に関して十分なシュミレーションを行うことをお勧めします。

スタッフ全員分のマイナンバーを集める必要がある

医療機関側(病院・クリニックなど)は、全ての従業員のマイナンバーを集めなければなりません。

「全ての従業員」は、医療機関から給料を受け取っている全てのスタッフのこと。ドクター、看護師をはじめ、レントゲン技師、薬剤師、医療事務、一般事務など働いている全てのスタッフが対象です。

その他、医療法人の理事、MS法人の役員、パート・アルバイトに至るまで、全てのスタッフが対象です。

マイナンバーの必要な従業員

マイナンバーが必要なスタッフは下記のようになります。
扶養家族がいる場合はこちらも対象なので併せて取得してください。

・役員(医療法人の場合は理事)
・正社員
・外国人従業員
・契約社員、
・パート、アルバイト(学生であっても必要)

※1 派遣社員は派遣元の所属となっているため必要ありません。
※2 人材紹介で入社しているスタッフは医療機関の所属となりますのでマイナンバーが必要です。

マイナンバーが必要な書類

報酬や契約金、不動産関係の支払調書にもマイナンバーの記載が必要です。スタッフだけではなく、支払い先からもマイナンバーを取得してください。

支払調書

医療機関によって連絡先の数や内容が異なりますが、クリニックであれば、お世話になっている弁護士、税理士、社労士などの先生方、院長先生が不動産を所有していて、管理を任されている方は別途不動産関係についても整理しておいた方がよろしい思います。

※私の場合は院長先生個人の所有物は把握していなかったので、不動産関係は知識が足りず申し訳ありません。

必要な書類の例

税金関係の書類はかなりの数があるため、ほんの一例ですが、下記のようなものがあげられます。

給与所得者の扶養控除申告書
※2015年に勤務しており、来年も継続して勤務する予定のスタッフは、下記の書類のなかで提出期限が1番早い書類です。こちらからダウウンロードできますので、個人番号記載の項目があることを確認してください。

源泉徴収票(給与所得・退職に関するもの)、給与支払報告書、特別徴収票、報酬の支払調書、不動産の使用料及び譲受に関する対価等の支払調書などにマイナンバーが必要です。

マイナンバーに関する注意事項

マイナンバーの取り扱いは非常にデリケートなものです。万が一にも漏洩などということがないように、あらかじめ万全の対策を整える必要があります。取り扱いや取得方法について注意がありますので確認してください。

取得の理由が必要

「マイナンバーを教えてください」

医療機関側からこのような通達が来ても、明確な理由なしにマイナンバーを提示してはいけません。法律上税関係と社会保険の手続きに使用する以外の目的で取得することができないからいです。医療機関の担当者はこのことをしっかりと理解してください。

具体的には、マイナンバー取得時に、「源泉徴収票作成のため」「健康保険、厚生年金保険届出事務のため」など、利用目的を特定して社員へ通知する必要があります。

「私は聞いていない」というスタッフが出てくるといけませんので、通知方法はメールや院内の掲示板など、証拠に残るものを使用してください。また、新入社員にはマイナンバー取得に関わる同意書をあらかじめとっておいた方がよろしいと思います。

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