医療事務は医師国保と協会けんぽどちらがメリットがあるか

「医師国保」と呼ばれる健康保険をご存知でしょうか。

医師国保は医療機関にお勤めの方意外は加入できない健康保険ですが、医療従事者は加入する健康保険を選ぶことができないため、就職したクリニックが医師国保の場合、医師国保に加入することになります。

中小企業にお勤めの方の多くは「協会けんぽ」にご加入かと存じますが、医師国保には独自のルールやデメリットも存在しますので、医療事務として採用された際には事前に確認しておくことをお勧めします。

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協会けんぽか医師国保か

「健康保険」は週の労働時間が30時間以上の場合必ず加入しなくてはなりませんが、従業員が医師国保か協会けんぽかを選ぶことができません。

クリニックで加入している保険が協会けんぽなのか、医師国保なのかによって従業員の保険も決まってしまうためです。

その為「どうしても医師国保がいい」(その逆もですが)という方の場合は、面接時に「就職したら保険はどうなるか」を確認しておく必要があります。

※従業員が5名未満(4名以下)の個人で開業しているクリニックにお勤めの場合は、健康保険が国民保険である場合も考えられます。

医師国保と協会けんぽの保険料

地域によって毎月の保険料に差がありますので、東京都を例にご説明します。

給与の額面が20万円の方の場合、単純に比較すると下記のようになります。

協会けんぽ:19,940円 (平成27年4月分からの保険料額表より計算)
医師国保: 14,000円 (後期高齢者支援金等保険料を含む)

協会けんぽの場合は上記の保険料からクリニックが半分負担しますので、給与から引かれる金額は9,970円です。

一方医師国保は給与に関わり無く定額です。協会けんぽのようにクリニックが半額負担する義務がないので、給与から引かれる金額は14,000円です。

※クリニックによっては、福利厚生の一環として医師国保でかかる保険料の半額を負担してくださるクリニックもあります。(この場合負担は7,000円)

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医師国保は負担額が変わらない

上記の例でお話しすると、医師国保の方が従業員の負担額が多くなります。(クリニックが保険料を負担しない場合)

ただし、上記のシュミレーションには残業代は一切含まれておりません。

協会けんぽは収入額によって保険料が変化しますので、 残業代を含めて毎月29万円以上の収入がある方にとっては医師国保のほうが有利です。

医療事務で上記の収入を得られる方はかなりのベテランのみと推測でき、結果協会けんぽの方が有利と考えられます。

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扶養家族がいる場合は重要項目

先ほどからお話しているように、健康保険料が高いということはそれだけ給料の手取りが少ないということになります。

20万円の月収と仮定すると、協会けんぽに比べ毎月約4,000円負担が多くなります。

特に給料が20万円以下が相場となっている医療事務ではこの金額の負担は辛いところです。

さらに追い討ちをかけるようで申し訳ないのですが、医師国保では扶養者1名あたり10,000円の追加費用が必要です。

母子家庭、子供2人でシュミレーション

仮に母子家庭で扶養義務のあるお子様がお2人いらっしゃった場合、ご自身の保険料と合わせ、健康保険だけで34,000円を納めなくてはなりません。

これに比べ、協会けんぽはご家族が何人でも無料で加入できるので、20万円の月収の方の場合、9,970円の負担で家族全員が加入できます。

加入する健康保険が違うだけで、毎月24,030円も手取りが変わることになります。

特に扶養家族がいらっしゃる方の場合はこの項目は非常に重要ですので、クリニックが半額負担してくれる制度があるかなど、詳しく面接時や応募時に確認しておく必要があります。

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何故医師国保と協会けんぽ2つの可能性があるのか

院長先生の収入はクリニックの規模によりかなりの差がるものの、看護師や医療事務の比ではありません。

医師国保の最大のメリットは、保険料が一律であることです。

月収20万円程の医療事務にはメリットにはならなりませんが、高所得の方にはこの点が大きなメリットになります。

その為、個人で開業している院長先生は医師国保に加入しているケースが多いです。

ただし、医療法人のクリニックではそもそも医師国保に加入できません。※ そのため現状医療機関に就職する際は、医師国保と協会けんぽ2つの可能性があるのです。

※個人で経営していたクリニックを法人化された場合は、医師国保にそのまま加入し続けることも可能な為、医療法人であれば必ず協会けんぽとは言い切れません。

参照:医療事務は要確認!クリニックでも社会保険と雇用保険の加入は必須

クリニック専門医療コンサルタント。
都内クリニックの事務長を11年経験し独立。
現在は関東圏のクリニックへ人材教育と採用活動を通したコンサルティングを行っている。医療事務・看護師の面接回数は合計800回を超える。
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