紹介状を頼む患者様の不安と素朴な疑問の対応方法

クリニックでドクターに紹介状をお願いするのは、患者様にとっては少々ハードルが高い行為です。

「何だか悪い気がする」「紹介状の発行を断られたらどうなるの?」このよな不安や素朴な疑問にどう対応するかも医療事務の腕の見せ所です。

紹介状を頼む患者様が不安に思うこと、素朴な疑問、それに医療事務スタッフがどう対応したら良いかをまとめます。

Contents

紹介状を頼む時の不安

通院しているクリニックを別の医療機関に変更したい。でも・・・・

診察はドクターと患者様のコミュニケーションですので、ドクターの方から薦められたのならまだしも、自分から「紹介状が欲しい」と伝えてもいいのかと迷っている患者様もいらっしゃいます。

担当のドクターと人間的に合わない、もしくは信頼できないといったマイナス要因の場合はですが、

患者様の希望による転院の多くは、今が悪いわけではなく、より良い医療を求めて転院を希望されるというケースが圧倒的なのは言うまでもありません。

そうなると「せっかく診ていただいているのに悪い気がする」とお考えになる患者様もいらっしゃるはずです。

「悪い気がする」とおっしゃる患者様への対応

患者様には「そんなことありませんよ」「そういう時はいつでも遠慮なくおっしゃってください」と伝えてあげてください。

紹介状に書かれる情報の全ては患者様のことであり患者様のものです。必要があってかかりつけ医を変えたい、もっと専門的な検査を受けたいというようなご希望は、それをお話しすることに何の問題もありません。

また、このような患者様の中には「一度紹介してもらったら、もうここでは診てもらえないんじゃないか」と考える患者様も多いと思いますので、「そんなことは無いので安心して欲しい」という旨を添えてお話されると良いでしょう。

紹介状を発行してもらえなかったらという不安

もし、かかりつけのドクターが紹介状を書いてくれなかったら気まずくなる

このように考え、なかなか言い出せない方もいらっしゃるようです。

医療事務の方はこのような患者様の対応に入るときは、「患者様のご本人の希望であれば原則拒否されることはない」旨患者様にお話しましょう。

ドクターはどう考えているのか

私のまわりのドクターに伺った限り、患者様からの転院希望に対して不快な思いをしていらっしゃるドクターはいらっしゃいませんでした。

大々的にアンケートをとったわけではありませんので、この結果が全てというわけではありませんが、私の印象では、患者様からの転院希望で紹介状を書くことを嫌がるというよりは、

むしろ受けたい医療があるならそうしたほうが良いと考えているドクターが圧倒的に多い印象です。

紹介状の相手は院長先生の知り合い?

これは私が事務長時代の経験なのですが、ある患者様から「知り合いしか診ない先生だから紹介状が必要なんですか?」と聞かれたことがあります。

確かに「紹介状」という名前だけ聞くと、どなたかの”紹介”でないと診てもらえないという考え方もできます。実際は紹介先の病院やドクターのことを知らないケースが多々あります。

その場合紹介状のあて先は、

●●病院●●科 科外来担当医先生御机下

となります。

あて先のドクターがわかっている場合は、

「●●病院●●科 田中 太郎(仮名)先生御机下

となります。

「御机下」の読み方や意味がお分かりにならない方は下記の記事をご参照ください。

友人の紹介なら紹介状は要らない?

「あの病院の先生には自分の友人がかかっているから、彼から紹介してもらうよ」

事務長時代、紹介状の件でこのようにおっしゃる患者様がいらっしゃいました。

下記の記事のこの部分にも書かせていただきましたが、効率的な医療資源の分配が目的になっていますので、ドクターでない方からの「紹介」では紹介状の代わりにはなりません。

検査結果を持っていれば紹介状はいらない?

血液検査をを行うとそのデータを頂くことができるので、少しでも医療費を抑えたいという考えから、それを紹介状代わりにしたいというお話を伺うこともあります。

血液検査を行っている場合は、通常紹介状の中にその結果も含まれますので、検査結果も紹介状を構成する1つの要素なのですが、それでも紹介状を出してもらったほうが良いと思います。

理由は「紹介元のドクターの見解の有無に大きな違いがあるから」です。

検査結果はあくまで補助

私は毎週どこかしらのクライアントのドクターとお話させていただいていますので、数名のドクターにお伺いしてみたのですが、

ドクターは紹介を受ける際最も重要なものは「紹介元のドクターの見解とこれまでの経過」で、検査のデータや画像はあくまで診断の補助であると考えているようです。

患者様として医療機関へいらっしゃる方のほとんどは、本人の訴えが最重要とお考えだと思いますので、この点は意外かもしれません。

あくまでYASUの調査結果からお話しています。
ドクターによって見解が異なる可能性がありますのでご了承ください。

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