女性に人気の資格といえば、医療事務ともにトップに入るのが調剤薬局事務です。
どちらも医療系の事務のお仕事ですが、共通項も多くあり、多くの女性に選ばれています。
中には医療事務と調剤薬局事務を混同してしまっている方もいらっしゃいますので、
この2つのお仕事の違いをお話していこうと思います。
Contents
調剤薬局はサービス面がより重要
調剤薬局は、通常医療機関の周辺にあります。
総合病院のまわりには数件薬局があることが多いので、患者様はその中で薬局を選んで薬を購入することになります。
処方箋に基づいた処方ですので、調剤薬局側で渡す薬に違いはありませんので※、主な差別化はサービス面で行うことになります。
院外処方のメリット
現在では、クリニックの多くが処方箋を発行し、調剤薬局で薬を受け取るというスタイルになっています。これを院外処方といいます。
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クリニックは薬の在庫を抱えることなく薬を処方でき、患者様はご自宅の近くの薬局でも薬を手に入れることができます。
処方箋の有効期限は診療日を含めて4日間なので注意が必要です。
医療事務と調剤薬局事務の違い
様々な切り口から2つの違いを見ていきましょう。
給料・休日・帰宅時間などの福利厚生に関しては別記事にまとめていますので、こちらもご参照ください。
働く場所の違い
医療事務は病院やクリニックが職場ですが、調剤薬局事務の主な職場は「調剤薬局」です。
医療業界未経験の方からみると、あまり変わらないように映るかもわかりませんが、働く機関の種類が異なるので、全くの別物です。
原則は、薬剤師が調剤を、その他事務業務を調剤薬局事務が担うことになっていますが、薬剤師がこの業務を兼ねていることもあります。
必要な知識の違い
医療事務と調剤薬局では、必要な知識も異なります。
調剤薬局事務で必要な知識は、主に薬剤の分野ですし、薬局での医療行為は、調剤と投薬が主となっているため、医療事務より狭い範囲の知識を扱うことになります。
医療事務と比べて覚えることが少ないとも言い換えることができます。
投薬:薬の説明・渡すこと を指します。
仕事内容の違い
調剤薬局事務の仕事を箇条書きにすると、
・患者様対応
・レセプト作成(保険者への請求業務を含む)
・お薬手帳の作成
・薬の在庫管理
といったところでしょうか。
できるだけお待たせしないように患者様に配慮するといったサービス面では、医療事務と共通項があります。
退勤時間が遅い
医療事務の場合でも、退勤時間が遅いクリニックはあるので、必ず調剤薬局事務の方が遅いわけではありませんが、
調剤薬局は、院外処方の医療機関から処方箋を受け取った患者様がいらっしゃるところですので、営業日や営業時間は近隣の医療機関に合わせられている場合がほとんどです。
近隣のクリニックより先に営業を終了する薬局もありますが、まだ少数です。そのため拘束時間は長めに設定されています。
給料・退職時間・休暇の違いに関しては下記の記事まとめました。
医療事務と調剤薬局事務の共通項
医療事務とは異なり、調剤薬局事務は、調剤分野のみですが、患者様とのコミュニケーションで接遇が求められる点は医療事務と変わりません。
また、転職時の業務内容も大きくは変わらない傾向にあるので、近くの医療機関の診療科が変わっても、業務内容や計算方法などは応用がききます。
資格より経験が重視されるという点も医療事務と共通です。
レセプト業務
医療事務、調剤薬局事務ともに、レセプト業務があるという点も共通項です。
ただし、医療事務は診療報酬、調剤薬局事務で扱うのは調剤報酬ですので、この点は異なります。
また、難易度は医療事務の方が高く、覚えることも多くなります。
【平成28年4月改定準拠】調剤報酬請求事務[Ver.6]-基礎知識とレセプト作成
パソコン作業がある
共通することはパソコンでの入力作業が主な業務であることです。
調剤薬局でも、電子カルテやレセコンを使用しますので、現場で電卓を使用して手計算というのは考えにくい職場であることがほとんどです。
薬価の詳細までを暗記している必要はありませんが、正確に入力するスキルと、ある程度のパソコンスキルは必要となるでしょう。
医療事務の記事ですが、必要なパソコンスキルは同程度と考えておけば良いでしょう。
資格について
資格の取扱いも医療事務とほぼ同等です。
資格があるだけで無条件に就職というわけにはいきませんが、資格の勉強は知識の基礎として役立つと思います。
将来の投資として検討してみるのも良いでしょう。
医療事務より調剤薬局事務の方が楽な仕事か?
仕事の範囲が狭いということ、医療事務と比べると資格取得までの負担が少ない、という点から考えると、調剤薬局事務の方が楽!と考える方もいらっしゃると思いますが、実際はどうでしょうか。
サービス面では調剤薬局事務の方が大変
医療事務と比べ、調剤薬局事務が使用する知識の範囲が狭いということが、「楽な仕事」に直結するわけではありません。
まず、患者様の数と、事務員の数を考えると、事務員1人あたりが担当しなければならない患者様の数は多くなります。
また、競合が多い傾向にあるので、よりサービス面にも磨きをかける必要があります。
競合が多いということに起因しますが、病院やクリニックなどの医療機関と比べると、患者様からのコミュニケーションがドライであることも多いので、
こちらの言うことを聞かなかったり、待ち時間にシビアな患者様が増える傾向にあります。