医療事務の資格は独学で取得可能?未経験者にはお勧めしない理由

医療事務の資格は必要ない!という方もいらっしゃいますが、私は、未経験で医療事務へ転職をお考えの方は、資格を取得した方が良いと考えています。

医療事務の資格取得には、専門学校への通学、通信が一般的ですが、受講料の問題から、「独学で医療事務の資格を取得したい」とお考えの方へ独学で取得可能かどうかをお話ししていきます。

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独学は可能ですが勧めしません

一言で「医療事務の資格」といっても、受験資格が存在しないものも多いので独学での受験は可能です。医療事務未経験であっても独学で合格できないことはありませんが、私は、未経験かつ今まで医療業界とは関係のないお仕事をされていた方には、独学での取得をお勧めしません。

医療事務資格の取得はそれほど甘くはない

医療事務は専門職です。

インターネット上では「資格がなくても、だれでもできる」といった記載もありますが、そこまで甘いものではありません。

医療事務の資格は民間資格のため複数存在し、毎月試験がある医療事務資格もあるため、何回かチャレンジするだけの余裕がある方は別ですが、「できれば1回で決めたい」とお考えの方に独学はお勧めできません。

また、資格を取得する為には、医療の専門用語から診療報酬請求書(レセプト)に至るまで、かなりの量の専門知識を身につける必要がありますので、独学が大きな負担になるのではないでしょうか。

資格取得の目的

そもそも何のために資格を取得するのでしょうか。「就職に有利だから」が1番の理由だったとしても、本来は、医療事務として活躍できるように、勉強を通して知識を身に着けることです。

資格を取得することがゴールで、何回かチャレンジするだけの余裕がある方は独学でも良いかもしれませんが、これでは伸びしろはかなり少なくなってしまいます。

<参照>

医療事務の資格を通学・通信で取得するメリット

前述のとおり、医療事務の資格を独学で取得すること自体は可能です。合格率が低くなっても、何回か試験を受ければ資格を取得できないことはないでしょう。

それでも私が独学をお勧めしないのは、独学では現場で役つ知識を身に着けられないのではないかという懸念があるからです。

電子カルテの問題

特に都心部では多くの病院やクリニックで電子カルテを導入しています。

医療事務の資格の中には、いまだにレセプトを手書きで行う内容になっているものがありますが、レセプトを手書きで行っている病院やクリニックはありません。

独学でもレセプトの内容の理解はできますが、電子カルテやレセプトコンピューターの操作を学ぶのはハードルが高いと言えます。

電子カルテのソフトを独自で手に入れるのはかなり難しいのではないかと考えます。

ORCA(オルカ)ならできるのは?

日本医師会より無償提供されている、Online Receipt Computer Advantage(通称ORCA)を使用すれば、費用をかけずにレセコン(注:レセプトコンピューター)のシステムにふれることができます。
ただし、サーバーとLinuxで動くパソコンが必要ですので、かなりのPCスキルと知識が必要です。個人的には、Linuxを扱えるレベルのコンピューターの知識があるのであれば、目指す職業は医療事務ではなくてもよろしいのでは?とも思います。

質問する相手がいない

資格によっては下記のようなテキストが発行されていますので、重要なポイントに関しては読み込めば理解できます。

しかし、テキストの解説を読んでもわからない場合、質問できる先生も、同学年の生徒もいませんので、理解度にはネックがありそうです。

試験の情報「質」が不足する

独学で勉強していると、直近の試験の傾向など、重要な情報をキャッチできない可能性があります。

テキストで基本的な勉強ができたとしても、最近の試験の傾向と対策の情報収集が難しく、情報の質の面で劣ります。

独学でも良いケース

一方で、独学が適している方もいらっしゃいます。

例えば、現在医療事務として就業している方であれば、現場での知識を生かせば、独学でも大きな負担にはならないでしょうし、
医療事務への就業がまだまだ先で、取得までに何回かチャレンジできる方、趣味で資格の取得を考えている場合も独学は適していると言えます。

独学で受験可能な医療事務の資格

費用面やその他の理由で独学を希望される方は、下記の中から取得する資格を選ぶと良いと思います。

医療事務の資格は数十種類ありますが、下記にあげるものは、面接の現場においても比較的よく見かけるもので、独学でも受験可能な資格です。

診療報酬請求事務能力認定試験

公益財団法人日本医療保険事務協会が資格の発行を行っています。

学科試験と実技試験があり、試験場への資料の持ち込みは自由ですが、独学での合格は難しいので、通学、もしくは通信で勉強されることをお勧めします。

ココがイチオシ!

・診療報酬請求事務に特化した資格
・医療事務の資格の中で1番認知度が高い
・合格率は約30%前後と難易度は高い。
・資格手当の対象がこの資格だけという医療機関も多い
面接時にもアドバンテージになり得る資格

医療事務技能審査試験

合格すると「メディカル クラーク®」という称号が付与されます。

ニチイ学館の講座を修了し、合格すると付与される資格ですので、面接時に履歴書上で良く見かけますが、転職で注目される資格ではありません。

特徴

・実技Ⅰ、学科、実技Ⅱの3部構成
・全ての得点が70%に達すると合格。
・毎月試験が行われている。資料の持込が可能。
・合格率は60%を超え
・独学で目指すのには向いている。
・受験資格なし。(テキストはニチイからのみ購入可能)

医療事務管理士技能認定試験

称号は「医療事務管理士®」。以前タレントの八田亜矢子さんが取得した資格ということで、テレビでも放映されましたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。八田さんは3週間の勉強で合格しているそうですが、さすがに3週間では難しいのでは?とも思います。

・試験内容は実技試験と学科試験
・2ヶ月に1回、年に6回実施。
・合格率は55%前後。
・「IBT試験」というインターネットを使用した在宅受験が可能。
・通信教育で有名なユーキャンやソラストなどの講座を修了後合格すると付与される資格
・メディカルクラーク同様、履歴書上でよく見かける資格

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