医療事務の面接で「前職の退職理由」を聞かれた時の対策

前職の退職理由を教えてください」

まだ現職中である場合は現職の退職理由になりますが、面接では必ずといっていい程聞かれる質問です。

どなたでも事前に対策をとると思いますが、質問されるとわかっていても答えに困る質問の1つでもあります。

あまり聞かれたくない方もいらっしゃると思いますが、ほぼ必ず質問される項目ですので、きちんと対策したうえで面接に臨むようにしましょう。

Contents

使ってはいけない退職理由

まず使用をお勧めしない退職理由をあげておきます。たとえ事実であったとしても、面接でこの項の内容を使用することは避けましょう。

人間関係が悪かった

前の職場の上司とそりが合わない(未経験者)

前の職場の先輩や後輩と人間関係が上手くいかず・・・

職場での人間関係に問題があり・・・

院長先生や看護師さんと合わなかった(経験者)

これらの理由を使用することは絶対に避けるべきです。

特に前職の退職理由を伺ったときに、人間関係に関する項目が1番最初に出てきてしまうようでは対策が甘いといわざるを得ません。

例え相手が100%悪かったとしても、面接でそれを証明することは不可能だからです。

人間関係の悪化で退職=コミュニケーションスキルの欠如

主な退職理由が人間関係の悪化の場合、ご本人にそのような要素が無かったとしてもほぼ自動的に悪いイメージが付いてしまいます。

例えば「自分の主張のみで相手が悪いと決め付けてしまう」「コミュニケーションスキルが欠如している」など、いずれも良いイメージとは言えません。

面接の態度だけでは逆転不可能

「面接で明るく話していればきっとわかってくれる」「コミュニケーションには自信があるから挽回できる」

そう考えている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、私の経験上面接で1度良くないイメージが付いてしまうとそこから逆転するのはほぼ不可能です。

特に人間関係の退職理由を嫌う面接担当者が多いですし、そうでなかったとしても決して印象の良い退職理由ではありません。

人間関係については、質問された時以外はふれないのが鉄則です。

もし人間関係に関すること以外で退職理由がないのであれば、もっとキャリアを積みたかったが苦渋の選択だったなど、前向きな内容と組み合わせて使用するようにしましょう。

医療事務の仕事に魅力を感じて

前から医療事務にあこがれてなかなか踏み出せなかったが今回やっと踏み出すことができた

一念発起して勉強したら資格が取れたので、思い切って転職をすることにしました。

このような退職理由もよく聞きます。

志望動機の部分でも書いていますが、これを使うのであれば医療事務の仕事がどういうものなのかきちんと理解している必要があります。

参照:医療事務未経験者が面接で使える志望動機の例文とヒント

「医療事務の仕事は受付とレセプト」と思っている方、レセプトのことも良くわかっていない方、電子カルテの大まかな仕組みがわかっていない方は、この言葉を前面に出すことで薄っぺらい印象が出てしまいます。

医療事務の仕事が良くわからないという方は下記をご参照ください。

1番の魅力はどこにある?

本当に魅力を感じているのであれば、具体的な魅力はどこなのかを明確にし、その中でも自分にとって1番の魅力はこれだ!というものを明確にしましょう。

面接を受けているクリニックにその魅力がない可能性もありますが、その魅力が全くないのならそこには就職しない!」くらいの強い意思があれば、退職理由として全うなものになるのではないでしょうか。

祖父母の介護

「祖父母の介護がきっかけて医療事務に魅力を感じて、その思いが抑えられず・・・」

医療事務未経験者での使用率が高い退職理由ですが、個人的には最もお勧めできない退職理由です。

この理由で採用に至った医療事務を私は知りませんので、退職理由として使用するのは避けましょう。

偶然の出会いで退職を決意・・・ドラマチックすぎる!

「偶然の出会い」というきっかけで退職を決意するというきっかけは、一見使いやすそうではありますが、そもそもそれで退職を決意したというストーリー自体に無理があります。

私がこの退職理由を数多く耳にしていることから考えて、同じようなストーリーがインターネットの例文に掲載されているのでしょう。

面接で事実確認を行うことはありませんが、相当数このような退職理由を使用される方がいらっしゃることを考えると、担当が私でなくても印象は良くないはずです。

家族の健康状態は聞かれるまで答えない

退職理由にご家族の健康状態を絡ませると「家族が具合悪くなって長期で休む可能性が高い」と解釈されてしまうこともあります。

ご家族の健康状態が今後良くなくなる可能性やその介護をしなければならない可能性が高くても、現在進行形でその状態でなければわざわざ申告する必要はありません。

このような点からも退職理由への使用は避けるのが無難です。※質問されたときは正直に答えましょう。

お勧めする退職理由

私がここで例文を書いてそれをコピペしても、その方に合った退職理由ではないのでおそらく辻褄が合わなくなってしまいます。

あくまで面接を受ける方にとって事実である必要はありますが、私が納得した退職理由をいくつか挙げておきます。

下記の記事もご参照ください。

今よりスキルアプしたい(経験者)

未経験の科目を習得して自分のレベルを上げたいというものです。

全く新しい科目にチャレンジするというのは、例え医療事務経験者であっても高いハードルですので、自分が経験したことのある診療科とこれから経験したい診療科目が混在するという状況が望ましいです。

また、スキルアップしたいのであれば、「どういう点をスキルアップしたいのか」という点に必ず質問がでますので、それをどのように実現していくのかということまでこと細かにシュミレーションしてください。

ただ「内科を学びたくて」という理由はこの項には当てはまりません。内科を学びたいのであれば、その理由と学びたい具体的な項目くらいは最低でも必要です。

医療事務として活躍したい(未経験者)

タイトルだけみると誰でも言ってきそうないいまわしに聞こえるかもしれません。

退職理由としてこれを使用するためには具体的な計画が必要です。

どのくらいの期間で何ができるようになりたいのか、前職では実現が難しかった理由とあわせて退職理由として使用できます。(志望動機にも同じことが言えます)

今後のビジョンとして(未経験者・経験者)

2番目の項目とコンセプトは一緒です。

今後のビジョンを考えたときに医療事務は自分にとってベストなチョイスで、それがわかったから行動したというものです。つまりキャリアアップの為にということです。

医療事務未経験であれば、自分にとってベストである理由がはっきりしていないといけませんし、自分の将来的なビジョンがきちんとつくれていないと薄っぺらい物になってしまいます。

そのビジョンをどのようにかなえようと考えているのかに関しても一緒に話すことができる必要があります。

まとめ

退職理由は前向きなものの方が良いです。

上司がむかついたから辞めたというのが事実であったとしても、できるだけ前向きな理由を探しましょう。また、前職の退職理由と志望動機がうまくかみ合わないと、話している中でボロが出てしまいますので必ずセットで考えるようにしてください。

原則として薄っぺらい部分は根拠と計画を十分に用意して、より具体化する作業が必要です。自己分析にも似た作業ですが、将来的にはご自身のキャリアを形成する道しるべにもなりますので、これを機にできるだけ詳しく行ってみてください。

退職理由を考える際の参考になれば幸いです。

参考:医療事務経験者の面接の志望動機で特に重要!前職の困難を語る

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