
未経験の方が医療事務の求人へ応募する際、始めに必要な準備は、志望動機を考えることです。
志望動機は、書類選考でも面接でも必須項目ですので、未経験で医療事務への転職をお考えの方は特に準備が必要な項目です。
こちらの記事では「オリジナルの志望動機の考え方」をテーマにしています。
志望動機の例文をご覧になりたい方は『未経験で医療事務へ転職!志望動機の例文』もしくは志望動機の添削一覧をご参照ください。
Contents
クリニックが求めるのはオリジナルの志望動機
医療事務の志望動機の例文は、インターネットで検索すればいくつも見つかります。しかし、クリニックが求めているのはオリジナルの志望動機です。
検索で見つかった例文をコピーしたり、不用意にリライトすると、可もなく不可もない志望動機が出来上がってしまい、大きな注目を集めることはできません。
2020年2月現在、下降気味ではるものの、採用は依然売り手市場ですので、一時期に比べると医療事務の採用倍率は低くなり、未経験でも採用されやすくなっています。
しかし、人気のクリニックの求人には希望者が殺到する傾向がありますので、そういった状況でも経験者の中に未経験者が食い込むためには、ご自身に合った志望動機が必要です。
「本気で医療事務になりたい」とアピールするには、オリジナルの志望動機の方が効果的ですので、少し時間を割いて考えてみましょう
(2017.6.16 追記)
医療事務未経験で志望動機の作成を急いでいらっしゃる場合は、下記5つのポイントをご覧になった上で、「鉄板の三部構成」を使用してください。
志望動機の例文について
例文をそのまま使用することは効果的ではありませんが、例文を元にしながら、下記の要素を足していくと、オリジナルの志望動機に近づきます。
資格をお持ちでない方(飲食・接客業の経験あり、新卒)は下記をご参照ください。
資格をお持ちの方の例文は下記に記載します。
医療事務になりたい理由
オリジナルの志望動機を作成する1つ目のポイントは、「医療事務を目指す理由」です。
どうして医療事務を目指すことになったのでしょうか。
なんでも正直に話せば良いわけではない
冒頭から正攻法とは言えない方法をご紹介しているようで心苦しいところはありますが、未経験の方の場合、医療事務になりたい本当の理由は、
他になるものがなかったから。
将来安定しそうだから。
長く働ける職種だと聞いたから。
家から近いから・・・
このようなものが大半ではないかと推測されます。さすがにこれを面接でお話される方は稀だと思いますが、これらの理由はたとえ真実であっても使用を避けるべきです。
面接や履歴書・職務経歴書などの提出書類上では、なんでも正直に話せばよいわけではなく、印象が悪くなる要素は極力使用を避けることがポイントです。
もし、どうしてもこれらの要素を入れたい場合は、2番目、3番目の理由にしましょう。
(2016.9.1 追記)
どのような理由が妥当かは別記事にて記載しています。『何故医療事務を目指したのか?履歴書に書ける志望理由の例』をご参照ください。
「医療事務は長く働けるから」ではダメ?
「長く働けるから」という理由自体に問題はありません。
しかし、それは応募者から見たメリットですので、目指す理由がこれだけでは、内定をいただくことは難しいと考えて下さい。
もし、「長く働ける」を志望動機としたいのであれば、どうして長く働くことができるのか、そもそも事実なのかを検証し、確信を持って話すことができるよう、準備を怠らないことです。
よく調べもせずに「そういう話を聞いたから」程度の知識では、薄っぺらい志望動機になってしまい、説得力に欠けます。運よく書類選考を通過することができても、面接で見抜かれることは間違いありません。
「働ける年数が長い」というのは医療事務の全体の特徴ではありますが、実はケースバイケースです。詳しくは下記の記事をご参照ください。
未経験でも医療事務の仕事内容を調べよう
ポイントの2つ目は「医療事務の仕事内容に触れること」です。
未経験の方と面接をしていると、そもそも「どんな仕事をするのか」を調べていない方が非常に多いのが目に付きます。
「志望動機に何を書こうか迷っている」方の中には、
医療事務が何をするのかよくわからないけれど、未経験だから仕方がない。
と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
確かに未経験の仕事内容を経験者並みに知ることは難しいことですが、
「医療事務が何をするのかは、ちょっと人から聞いた程度しか知らない」状態では、「医療事務になりたい」という熱意を伝えることができません。
もし「未経験だから仕方がないでしょ!」というスタンスで面接を乗り切ろうとしているのであれば、内定は遠いと言わざるを得ません。
「医療事務の仕事に魅力を感じた」とおっしゃっているのに、医療事務の仕事がよくわからないという矛盾を抱えた方は、実際の面接でもよくお目にかかります。
最低限「一般的には」どんな仕事を行っているのかということは把握しておくべきです。
クリニックで医療事務がどのような仕事をしているかに関しては、下記の記事をご参照ください。
「医療事務を目指したきっかけ」をメインにしない
ポイントの3つ目は、「医療事務を目指したきっかけ」を志望動機のメインにしないことです。
よく「クリニック(病院)に患者として行ったときに優しくされた経験をきっかけに医療業界に魅力を感じ・・・」というお話が志望動機のメインになってしまっている方をお見かけします。
志望動機として不適切ではありませんが、医療事務を志望した理由がこれだけではまず合格にはなりません。
多少の脚色は仕方がないが辻褄は合わせること
この「きっかけ」の部分は、脚色されていることが多く、中には、辻褄が合わなくなってしまっている方もいます。
例えば、
幼少の頃に祖母が近くの診療所へ通院しており、私も良く連れて行ってもらっていたのですが、その時に対応してくださった医療事務の方がとても親切にしてくださり、医療事務のお仕事をとても魅力に感じたのをきっかけに志望しました。
「過去の体験からずっと興味を持っていて、やっと志望することができた」という構成は良く見かけます。
職務経歴が浅い方であればまだしも、相応の社会経験がある方が転職される際に使用するのであれば、今までは医療業界とは全く違う業界にいらっしゃったことに、説得力のある理由付けが必要です。
昔から医療業界に興味があったのに、医療事務未経験の理由は何でしょうか。
かなり強引に辻褄を合わせなければ、成り立たないような気もします。
志望動機を多少脚色するのは悪いことではありませんが、辻褄は必ず合わせるようにしてください。
医療事務に魅力を感じたきっかけを使用するなら
もし、この「きっかけ」を、志望動機の最初に持ってきたいのならば、その魅力に感じた医療事務さんに話を聞いてみてはいかがでしょうか。
自分から「行動力がある」とアピールしなくても、エピソードを話すだけでそのような評価がついてくると思います。
きっかけを使用した例文
以前から医療事務に魅力を感じておりましたが、その考えは漠然としていたので、実際に医療事務の方に詳しく仕事の話を聞きたいと考えました。
しかし、私の周りには医療事務のお仕事をされている方がおらず、友人の紹介でクリニック勤務の医療事務の方を紹介していただきました。
医療事務になる為のアドバイスをいただこうと思っていましたが、医療事務になってからのアドバイスもいただき、現在は、漠然としていたものがクリアになり、医療事務になることがゴールではなく、そこでどのように働くかが一番重要だと考えています。
内定を頂戴できましたら、患者様とドクターや看護師さんの橋渡しをできるような医療事務になりたいと考えていいます。
辻褄が合っていれば、実際に話を聞く必要はないかもしれません(笑)このくらいの方がインパクトがありますし、自分で調べる能力があるのだと伝えることができます。
※嘘はいけませんがこれくらいの情熱はあってもおかしくはないと思います。
<参考>
現場で感じたことを入れる
ポイントの4つ目は、少し踏み込んだ内容になりますが、「現場で感じたことを入れる」です。
今までは「なぜ医療事務なのか」でしたが、
「数ある医療事務の中でもこのクリニックで働きたい!」という主張に臨場感を出す1番簡単なテクニックは、現場で感じたことを志望動機に入れることです。
同じ診療科がある別のクリニックへ行っても行動力のアピールにはなりますが、どうせ様子を見に行くなら、志望しているクリニックへ行ってしまいましょう。
現場で感じたことを入れる例文
半年ほど前、御院の近所に住んでいる友人が体調を崩したため、付き添いで伺ったことがあります。患者様の立場で医療事務の方を見ていると、とてもテキパキとしていて、患者様の時間を大切にしながらも、失礼がないような接遇をされている印象を受けました。私の友人は初診だったのですが、不安に感じていることを踏まえた接遇をしてくださり、胸につかえていたものが取れたようでした。自分もそのようになりたいと考えました。
患者様の視点からでは限界はあるかもしれませんが、自分がここで働くことになるのだという視点から、現場を見て感じたことを志望動機に添えるのは効果的です。
また、他に行う方もそうはいませんので、ほかの未経験者の方との差別化ができるメリットもあります。
スタッフがどのような表情で働いているのか、イキイキと働いているのか、それとも疲れている、暗い雰囲気なのかといことがわかれば、最終的に志望するかどうかの判断材料にもなりますし、
志望するクリニック以外にも足を運んでみれば、クリニックごとに、事務の役割や仕事の内容が異なるということ肌で感じることができます。
クリニックの特徴から考える
最後のポイントは、ポイント4と同様に「このクリニックを志望した理由」というところに役立ちます。
医療事務になる理由はなんとか考えたけれどこのクリニックを選んだ理由は・・・
実際のところは「求人があったから」「未経験者でも可の表記があったから」だったとしても、さすがにこれをそのまま言うわけにはいきませんね。
「何故このクリニックを志望したのか?」は面接でも良く聞かれる質問ですので、ここで一緒に考えてしまいましょう。
考えるポイントは「クリニックの特徴をつかんだ理由にすること」です。
特徴=こだわりと考える
全てではありませんが、クリニックの面接を受けられる場合は、最終面接の担当が院長先生でるケースがあります。こういう時は面接を受けるクリニックを志望した理由が明確であったほうが有利です。
なぜなら、院長先生はドクターであると同時に経営者でもあるからです。
当然日々様々な点を工夫をされていらっしゃるので、そのような「クリニックのこだわり」を上手に志望動機へ織り交ぜると効果的です。
どのような点にこだわっているのか
こだわりはホームページやクリニックの現場で探すしかありません。
下記にクリニックのこだわりの例を挙げておきますが、どこにこだわっているかわからない時は、クリニックの率直な印象を語るようにしましょう。
(2018.8.17 更新)
こだわりは案外ホームページから見つけることができます。『面接でクリニックのホームページについて質問されたら』をご覧ください。
お知らせは壁に貼らない
私が担当している皮膚科のクリニック様で、「患者様へのお知らせは絶対壁に貼らない」というこだわりを持つ院長先生がいらっしゃいます。
壁に直接チラシを貼り付けていると、明らかに院内の美観を損ない、肝心な知らせたい内容は見てもらえていないという状況では、患者様の印象も良くはないでしょう。
<参考>
このクリニック様ではPRを行っていないわけではなく、お知らせの内容を幾つかのカテゴリーに分け、コルクボードへ張り付けたものを、決められた場所に掲示しています。
患者様目線で見やすく役に立つ掲示板を作っていて患者様からも好評です。
このような「工夫している部分」や「こだわっている部分」を志望動機の中に入れられると大きくプラスになることがあります。
その他のこだわりの例
多くの院長先生がこだわっていることの1つに「院内美化」「接遇の強化」があります。
どちらもやや一般的ではありますので、具体的な点を挙げられると良いと思います。
その他、
「土足ではないので院内がとても綺麗」
「スリッパが常にそろえられていて気持ちがいい」
「院内が乾燥しないよう湿度に気を使っている」
「寒すぎない、熱すぎないといった温度管理ができている」
「待合の椅子が座りやすかった」
など、こだわるところもそれぞれです。
こだわっている点なのか自信がなくても、「クリニックに良い印象を抱いた」ことを具体的な事例と絡めて伝えることができればそれで十分です。
最後に:医療事務未経験者は面接までの道のりが長い
医療事務未経験者の方は、そもそも医療事務の内定をもらう以前に面接へこぎつけるまでに苦労するはずです。
確かに医療事務の求人には「未経験可」とされているものもありますが、未経験の方を面接していただけるクリニックの方が少数です。
就職活動を行うにあたり「医療事務未経験で資格も持っていない」という状態では、資格をお持ちの方と比べて不利ではありますが、資格の有無だけで合否が出ることはありません。
就職活動される際は、「未経験者可」と記載されている求人だけではなく、できるだけ多くのクリニック、病院へエントリーされることをお勧めします。
魅力的な志望動機を作成し、医療事務としてこれから活躍されることをお祈りしています。
ポイント1~ポイント5を踏まえて志望動機を作成したら、何回も読み直して推こうしましょう。良い志望動機となるようにチェックポイントを用意しましたのでご参照ください。
参照:医療事務の志望動機ができたらチェックしたい6つのポイント