医療事務に転職するなら志望動機と転職理由が最重要という話

先月末からクライアントの面接への同席が多くなり、ここ1か月で合計50回以上面接を行いました。

医師、看護師、医療事務と職種も様々なではありましたが、医療事務の面接で特に思うところがありましたので、これから医療事務を目指される方へ共有しておきたいと思います。

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志望動機を考えるために必要なこと

経験上医療事務への転職希望が増えるのは4月と10月ですので今年も毎年の傾向通りです。

ただ、ここ最近の採用では、特に志望動機と前職の退職理由が曖昧な方が目につきます。

 

医療事務未経験の方にとって医療事務は未知の職種ですから、志望動機を考えること自体が難しいことだとは思いますので、今年に限った話ではないのですが、今年は例年より特に志望動機の設定が甘い方を多くお見かけしました。

少し厳しい言い方をすれば、これから医療事務に転職しようとされている方が、「何をする仕事かよくわからない」のでは、新社会人と同レベルかそれ以下です。

未経験とはいえ、「前職の経験を活かした貢献ができる」とお考えであれば、まず下記の手順を実行してください。

①医療事務は何をする職種かを調べる

医療事務から医療事務への転職をする方はこの手順は必要ありませんが、未経験の方は何よりここから調べる必要があります。

未経験でも面接を行うクリニックにとって、多少の勘違いや知識不足は想定内ではありますが、それでも医療事務の仕事内容についてのリサーチは必須です。

難しいのは医療機関ごとに行う内容が変わってくることですが、求人票をよく見ながら、担当する仕事の内容を見て、医療機関ではどういうことを大切にしないといけないのかを理解しましょう。

②自分のスキルの棚卸&転職理由

自分の持っているスキルや経験をどう活かせるのかを考える前に、自分は何ができるのか、得意なのか、今まで実績を残してきたのかについて考えなければなりません。

「前職が事務職だからPCスキル」など、簡単に決めつけてしまわずに、どんな小さい仕事でも今まで行ってきた仕事を書き出してみましょう。

よく考えてみると実は広い範囲で仕事をしていたという方も多いと思います。

職種が変われば、今までの経験の中でメインではない部分が役に立つこともありますので、今までの行ってきた経験を一覧にし、その中から自分の強みを見つけましょう。

 

転職理由は様々なものがあると思いますが、一例として下記の記事をご参照ください。

③クリニック(病院)の研究

一般的な会社であれば「企業研究」です。面接を受ける医療機関ごとに行う必要があります。

なんとなくの理由で選んでしまっている方は、「絶対このクリニック(病院)に就職するんだ」という熱意が感じられず、ありきたりな印象になってしまいます。

どの医療機関にもHPがありますので、どんなことを行っているかを見ておくことは当然として、

記載されている内容にわからない点があれば、せめてググるくらいのことはしておきましょう。

調べた上でわからないことがあれば、面接の最後に逆質問として聞くのも良いと思います。

 

また、その医療機関の評判を見ておくことも重要です。

口コミが良いか悪いかも大切ではありますが、内容から現場の忙しさ、患者様が多いか少ないか、予約制の有無、待ち時間、院内の清潔度合など様々な情報を得ることができます。

こういった情報は志望動機を作成する材料になりますので、広く情報収集するようにしましょう。

④働いている状況をイメージする

例えば求人票の業務内容に「患者様への応対」「患者様への案内」と記載があるとします。

それぞれどのような患者様に、どんなことを案内するのかを明確にイメージする必要があります。

どの年代のどういう患者様が多いのかなど、生の情報に関しては現場に行ってしまった方が早い気もしますが、それが難しい場合はインターネットなどから得た情報を元にしても良いでしょう。

働いている姿をリアルにイメージしている方のお話は説得力があり、行いたい仕事も明確になっているため、採用側に熱意を与えることができます。

志望動機が適当な人の印象

今までお話しした①~④のステップを踏めば、かなり具体的な志望動機になります。

上記の手順に従って志望動機をお考えなられた後、さらに良いものにしたいとお考えの方は、下記の記事をご参照ください。

医療事務の採用試験を数回受けるのであれば、①と②は共通項ですし、③、④に関しても前回考えたものを軸にすればよいので、大変なのは始めだけです。

志望動機のコピペはできた気になる

このサイトにも志望動機の例文を記載していますが、使用に問題があるとすれば、それは「できた気になってしまう」ことだと思います。

本来、熱意と説得力のある志望動機は、先ほど申し上げた4つのステップを踏まないと作れません。例文をコピペしてリライトすると、それでできてしまった気になるので、どこかに穴ができてしまい、それが面接で目立ってしまうと良い印象を与えることができません。

 

私は常々志望動機はオリジナルであるべきとお話ししておりますが、この熱意はただ例文をコピペしただけの志望動機は伝わりにくいのです。

面接での志望動機はとってつけたようなもので本心ではないという意見もあるかもしれませんが、もっともらしい理由の中にも本心がなければ熱意は伝わりません。

コピペでも医療事務になれた!?

志望動機も転職理由も、インターネットから拾ってきてリライトしたら採用された

などというクチコミもあるようですので、「コピペとリライトでは不十分」という私の意見に、懐疑的な方もいらっしゃると思います。

この記事を執筆している2018年10月現在は売手市場となっており、中には簡単に医療事務になれた方もいらっしゃっると思いますが、

それは評価の対象が過去の経験が大きくウェイトを占めていたり、キャラクターが重視された結果であり、こういった点に大きなアドバンテージがある方以外にはあてはまりません。

 

準備なしに面接を乗り切れるだけのアドリブとコミュニケーション力をお持ちであれば、ここまでの手順を踏む必要はないかもしれませんが、

そういった方は稀だと思いますし、選考をしっかり行っている医療機関には通じないと考えていた方が良いでしょう。

適当な志望動機で合格!の落とし穴

こんな志望動機で合格しちゃった。
思ってたより簡単に未経験から医療事務になれた

一見運が良いようにも思えますが、もしかしたら落とし穴がまっているかもしれません。

私の経験では、特にクリニックで適当な志望動機でも簡単に合格できてしまう所は、離職率が高い傾向にあります。(もちろん全てではありません)

そもそも数人の候補者がいたり、今すぐに人が必要なわけではないなど、医療機関に余裕がある場合、志望動機が明確ではない方を合格させる意味がありません。

しっかりとした志望動機をお持ちの方には入職への熱意があり、そういった方の方が長く働いてくれることがわかっているからです。

 

明確な目的や熱意が感じられないのに合格にしてしまっているような採用基準の医療機関には、やる気がないスタッフが集まっていることが多いですし、離職率もそこそこ以上ではないかと推測できます。

医療事務として仕事を始めることも大切ではありますが、長く務められることを前提としているのであれば、特に志望動機は時間を割いて考えた方が良いのです。

さいごに

本来志望動機は自己分析と企業研究の末にできるものですので、志望動機と転職理由が整っていれば、面接のほとんどの質問に説得力と自信をもって答えることができます。

一般企業であれば、今までの職歴を詳しく聞かれたり、前職の年収と希望年収の金額についてなど、労働条件に関しても面接の中で詳しく確認することがありますが、医療事務の面接は1回であることが多いので、より志望動機が重要になってきます。

面接が上手くいかない理由をコミュニケーション力不足だとお考えの方も多いようですが、説得力のある志望動機を作成する過程は、面接での印象にも大きく影響を及ぼすことになるでしょう。

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