「うちの医療事務は仕事ができない」
特に個人経営のクリニックの院長先生からは度々ご相談いただくご相談です。
「できない」の定義は院長先生によって異なり、明確な基準がない場合が多いので、スタッフの方もただ「できない」と言われても困ってしまうと思いますが、
先日ご相談いただいたクリニックで見られた事例をご紹介したいと思います。
今できないことは恥ずかしいことではありませんので、思い当たる節がある方は、意識して直していきましょう。
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根は真面目。やる気ばかりアピールする
「かんばりますオーラ」に溢れいるがを出している方です。
根はマジメな方が多いのですが、丁寧に教えても中々できるようにならない。でもやる気はあるから注力して教える。
これを繰り返していると、教える側にも教えられる側にもストレスが溜まります。
一見やる気があって、がんばりますオーラを出しているけれど、実際は自分が何をしていいかわからない。
今は十分仕事ができるとはいえないけれど、何となくこれからできるようになると考えている。
こんな状態ですので、成長のスピードが遅いのです。
何を頑張ったら良いかわからないスタッフを育てるには
これらのタイプの方は最近よく見かけるようになりました。
このように、頑張りたいけど何を頑張ったら良いかわからないタイプは、勤務態度だけで評価されようとします。
本人の中では、自分ができないのは当たり前で、頑張っていることを評価してもらおうとするのです。
本来、結果を得るための努力ですので、この考え方は本末転倒ですので、ご本人の意識を変えるところからスタートしなくてはなりません。
仕事の道筋を作る
管理者として「仕事ができない」という烙印を押しせてしまうのか簡単ですが、このような方を育てる環境を作りましょう。
評価制度の項目でもお話していますが、何が足りないかということに加え、どの順番で身につけて欲しいか、それをいつまでにやって欲しいかを細分化し、フィードバックを行うと良いでしょう。
YASUの事務長時代
私は事務長時代からスタッフへ「これができたら一人前リスト」を作成し配っていました。
1ヶ月に1度、評価表に従い自己評価を行ってもらい、提出してもらい、私の評価を項目ごとに横へ書き、
優先してどの部分を身につけて欲しいか、その為にどうすればいいかを面談でお話していました。
私の経験上で恐縮ですが、「やる気ばかりをアピールするタイプ」の方は、成長が遅い分移り気はなく、長く働いてくれる傾向にあるので、その点にも期待しましょう。
1人の患者様に時間をかけすぎる
クリニックではいらっしゃる患者様ひとりひとりに丁寧に対応していては仕事は終わりません。しかし、いい加減な対応をすればクーレムになってしまいますので、この間をとった接遇が必要になります。
仕事ができないと評価されるスタッフの方は、物事の処理スピードが遅い傾向にあり、平行して物事を処理するのも苦手である場合が多いので、
結果として患者様一人ひとりに丁寧に接しすぎてしまうか、いっぱいいっぱいになって患者様に気を使わせてしまうかのどちらかになりがちです。
対策は優先順位の付け方を教えること
患者様への接遇に関して、気をつけなければいけないことを細かく設定すると、非常に多くなりますが、
できるだけ想定内の事項を増やすためにも、新規の患者様と既存の患者様それぞれについて、最低限何を行っていればよいかの優先順位をつけてあげましょう。
例えば、初めての患者様からは、①保険証を預かり、②問診票を渡し、③書き終わったらもってきて欲しいと伝える
どんなに忙しくても上記3点を必ず行う。
忙しい時に問診票に関する質問を受けたら、とりあえず空欄にしておくよう伝える
など、「こんなことまで?」と思うほどに細かく設定するのがポイントです。
細かく設定するのは教育担当に負担がかかりますので、新人が慣れてきてもアレンジを許さず、抜けがないように仕事をしてもらうことが大切です
自己満足で終わらない
患者様に丁寧に接することは悪いことではありませんが、自分と話しやすい患者様だけに時間をかけ、「なんでいいことしてるのに注意されなければならないの?」という態度をとるスタッフがいます。
これは完全なる自己満足なのですが、私は「それは時間があるときにやってください」と伝えています。気が向いた時に話したい患者様と世間話をすることは仕事ではありません。
これがクセになってしまっている方は、他のスタッフがどう動いているかを見るよう心がけましょう。
まとめ 自分で気付けば変われる
ご本人に問題がある場合、本人がそれに気づき、自分で変わろうとすることができれば大抵の問題は解決します。
これに気づかせてあげること、どう対策すれば良いかの道筋をきちんと整えてあげることができれば、スタッフが成長する環境を整えることができます。
未経験で医療事務になる方の中は、自分でカリキュラムを設定し、実力を上げられる方ばかりではありませんので、その前提で育てる環境を整えましょう。