医療事務の求人を見ていると「新規開業のクリニック」の求人広告を見かけることがあります。
新規開業のクリニックということはオープニングスタッフですので、新しく仕組みを作る仕事にやりがいを感じるのであれば持ってこいの環境ですが、人によってはこの環境に向いていない方もいらしゃるようです。
新規開業のクリニックへ就職する向き不向き、未経験の方が就職する環境としてどうなのかについてお話ししたいと思います。
Contents
はじめに知っておきたいこと
新規開業のクリニックへ就職する際にまず知っておいていただきたいことがあります。
それは全てのスタッフがあなたと同じように求人で雇われたわけではないことです。
引き抜きによるスタッフの存在
新規開業のクリニックでは、中心となる人物の多くは院長先生のお知り合いだったり、他の医療機関から引き抜いてきたスタッフで構成されています。
いくら引き抜いてきた優秀なスタッフとはいえ、全員が同じ職場で仕事をしてきたわけではないと思いますので、働きぶりによっては序列が変わるかもしれませんが、新規開業だからといって、全員が一斉にスタートするわけではありません。
雑多な仕事は増える
これは想定内かもしれませんが、新規開業の際は雑多な仕事が増える傾向にあります。
医療事務の中でも細かい仕事の役割が決まっていないこともありますし、必要な道具が全てそろっていないことも考えられます。
新規開業のクリニックに向いていいる人
ではどんな方が新規開業のクリニックに向いているのでしょうか。あくまで一例ですが挙げておきたいとおもいます。
決まっていないことを楽しいと思える
新規開業のクリニックでは、細かい部分までルールが決まっていないため、事故が起こらない程度にトライアンドエラーを繰り返すことになり、仕事のやり方もどんどん変化していきます。
「仕事をやっと覚えてもルールが変わってまた覚えなおし」
という状況も十分考えられますので、クリニックの変化やチームワークが成熟していく様を楽しめる方の方が向いていると思います。
改善案を出すことができる
未経験の方では難しいかもしれませんが、新規開業のクリニックでは日々改善が行われていますので、改善案を自分から提案できる方の方が向いています。
自分1人で完結するものから、院長先生や他のスタッフとの連携など、自分以外の人に協力をお願いするものもあり、広い視野が求められます。
決まったことをミスなくこなすことも大切ですが、改善の提案を行うことでチームの中での居場所を確保できます。
長時間労働も苦にならない
どこまでを「労働」とするかにもよりますが、新規開業のクリニックでは、業務後もスタッフ同士で意見交換を行う風潮があります。
本人たちの意思で行っており、それだけ仕事に真剣である証拠でもありますし、仲間意識も強くなりますが、最近よくある「仕事プライベートは分けたい」というお考えの方には向かないかもしれません。
医療事務未経験の方にとってのメリットとデメリット
医療事務未経験の方にとっては、新規開業かどうかはあまり気にしなくてよいのではないでしょうか。
医療事務未経験の方にとってのメリット
多くの場合新規開業のクリニックは、最初の数か月は、ご来院される患者様の数が多くはありませんので、通常の業務では目の回るほどの忙しさではないと考えられます。
この時期に医療事務としての基礎を覚えることができれば、徐々に増えていく患者様にも対応できる力が身に付きやすい環境があります。
まわりのスタッフが全て未経験ですとこの環境は整いませんので、入職時には他にどのようなスタッフがいるかを確認しておいたほうが良いでしょう。
デメリットは?
向き不向きがある点は前項でお話ししましたが、あえて申し上げるのであれば、患者様が集まらないと閉院のリスクがある点でしょうか。
この点は院長先生と話し合いながら解決していく柔軟性は必要です。
さいごに
どんな仕事が面白いかは人それぞれではありますが、これから先「一生の仕事」として医療事務を選択されている方にとって、新規開業のクリニックへの就職が転機になることもあります。
開業直後のクリニックは患者様も少なく、院長先生も不安な時期を過ごされているはずです。そのような環境を共に乗り越えてきたスタッフには、少なからず仲間意識が生まれます。
また、ご本人としても、職場運営で自分の考えたルールや仕組が適用されていると、自分もクリニックを作ってきた一員になることができている感覚がでてきます。
そのような場所で長く務めることができれば、仕事に打ち込める居心地の良さを感じることができ、一生の職場になることも考えられます。