医療事務の帰宅時間はクリニックの状況に左右されます。
医療事務は他業種の仕事と比べると比較的残業が多いお仕事ではありますが、帰宅時間をいかに早くするかというのは個人の努力とクリニックの環境です。
医療事務の帰宅時間はクリニックの状況に左右されますので、「予約制のクリニックかどうか」と「何に対して残業があるのか」という点から、医療事務の帰宅時間を予想してみましょう。
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予約制の概要とメリット
自費診療のイメージがある予約制ですが、保険診療を行っているクリニックでも予約制を取り入れるケースが増えてきています。
予約制であることは多くの場合アピールポイントになりますので、求人票に記載されていることが多いのですが、面接時に確認してみるのも良いでしょう。
予約制にはメリットとデメリットがありますが、これからクリニックを開設されるという先生には、予約優先制で診療を行うことをお勧めしております。
予約制のメリット
予約制のクリニックのメリットは患者様の待ち時間の軽減とともに、ドクターへの負担を減らす効果があります。
診療を行うにあたり「先が見える」というのは安心感に繋がりますし、患者様の数をコントロールしやすいので、ドクターのレベルに合わせて診療を設定するということも可能です。
医療事務や看護師の場合は、帰宅時間が早くなることのほかにも、特定の患者様のいらっしゃる日を確認できるなど、前もって準備を行うことができる項目が増えるので、仕事がやりやすくなるというのもメリットの1つといえます。
予約制のデメリット
院長先生からすると、予約制のデメリットとして考えられるのは、「予約を断ってしまう可能性がある」ということでしょう。
「予約が一杯です」という一言だけで予約を断ろうものなら、経営者の先生にとっては事件です。美容外科のクリニックでの事例ですが、予約制のクリニックにお勤めだったり、これから勤めようと去れる方は、このような事件を起こさないようにご注意ください。
このようにならない為の研修が必要という点は手間を増やすということでデメリットですが、
スタッフ教育をきちんと行えば滞りなく運営できるとも言えます。
医療事務や看護師などスタッフ職にとってのデメリットも存在しますので、下記2点を見ていきましょう。
時間どおりにいかない時のクレーム
診療が予定通りに行かず、診療開始時間が予約時間から大幅に遅れるということは、クリニックでは比較的良くあります。
「医療機関は待つところ」というのは予約ができないクリニックでは当たり前ですが、予約制となっているとそうもういきません。
患者様の立場で考えればわかることですが、「予約したにも関わらず待つ」という状況ですので、予約ができないクリニックと比較して時間がタイトな患者様が多くなり、クレーム対応も増えてしまう傾向にあります。
診察を行うのはドクターですので、医療事務の努力だけではどうしようもない部分があるのが辛いところでもありますが、実は「前の患者様の症状が重い場合は予約通りに進まないことがある」という旨を患者様へご理解いただければ、このようなクレームを減らすことができます。
電話が鳴る
もう1つのデメリットは電話が鳴ることです。
予約の電話が鳴るので、予約を取ったり診断にならない範囲で相談に応じたりといった業務が増えるので、医療事務にかかる負担も大きくなります。
インターネット上からの予約ができる「予約システム」を導入している場合は電話による負担は軽減されますが、患者様の年代によっては電話を好むことは否定できません。
予約システムに関しては下記にまとめます。
レセプトで残業
レセプト期間は残業があるというクリニックは多く、どの程度の負担があるかという点は面接で確認しておくべきポイントでしょう。
しかし、帰宅時間を予想するために必要な情報は、レセプト以外で発生する残業がどのくらいあるかという点です。
参考:『改善すれば効果大!医療事務の長時間残業が生む悪循環』
レセプト作業以外の残業
レセプトで残業がゼロというクリニックは珍しいので、「レセプト以外で残業がどの程度あるか」という点は、帰宅時間に大きく影響します。
例えば医師会提出の書類だったり、地域差はありますが、市や区が補助をしている健診の集計、紙カルテの場合はカルテ片付けなどがある可能性もあります。
面接の際に質問するのなら「残業はどのくらいありますか?」よりは「どんなことで残業しているか」を確認しておいた方が良いでしょう。