医療事務の給与水準は高くはありませんので、中には副業をしているスタッフもいます。
本業に影響しないことと、他のスタッフを誘わないことが守られていれば、医療事務スタッフが副業をすることに問題はないと思いますが、
仕事のパフォーマンスに影響したり、副業にのめりこんでしまうのを見過ごすことはできません。
先日クライアントで、勤務後に水商売のアルバイトをしていることが発覚したトラブルがありましたので、
その事例を元に検証していきます。
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クビにはならないまでも
悪質でない限り、副業を理由に解雇することはできません。
ただ、全国的に見ても、「副業可」となっている医療機関は、クリニック・病院問わずなかなかないため、医療職の方にとって、「副業はリスクは大きい」と考えてください。
<参照>
バレたらどうなるか
どの程度本業に影響が出ているのかによって処分が異なります。
「クリニックを退職するか、それとも今後一切副業をしないか」の選択を迫られることは間違いありませんが、
勤務中の居眠り、遅刻・早退など、勤務態度に影響が出ている場合は、減給を覚悟しなければならない可能性もあります。
患者情報を利用するなど、さらに悪質な場合は、秘密保持の問題も絡みますので、最悪解雇もありえます。
キャバクラで副業とほかの副業の違い
冒頭でもお話しした、ご相談をいただいたクリニックでは、あるスタッフが夜だけ水商売のアルバイトをしており、他のスタッフの勧誘を行っていたことが発覚しました。
副業を行う理由にはそれぞれの事情がありますし、私個人の意見ではありますが、本業に支障が出ない範囲で他業種の経験を積むことは、成長にもつながると考えています。
しかし、退勤後の「アルバイト」であっても、居酒屋やスーパーで働くのと水商売では、リスクの大きさが違うと考えてください。
「給料が足りないから副業で補填する」といっても、お金を稼げればなんでも良いわけではありません。
私が考える「水商売の副業はリスクが高い理由」は3つあります。
理由①発覚しやすい
医療事務は受付に立つので、多くの患者様に顔を見られます。
今回のケースがまさにそれなのですが、偶然患者様がそのお店にいらっしゃったようで、そこから院長先生へ情報が入りました。
副業先がクリニックから徒歩圏内だったことからも、リスクマネジメントの甘さが露呈していますが、
たとえ離れた場所に勤務場所を設定していても、患者様を含む関係者と鉢合わせし、発覚してしまう可能性はゼロではありません。
クリニックでは副業は歓迎されないとわかっているわけですから、バレるリスクが高い副業を選ぶべきではありません。
理由②クリニックのイメージに関わる
水商売の副業は、発覚してしまった場合、クリニックのイメージを大きく損なう恐れがあります。
クリニックの商圏く、通常は地域の方々を診療しています。
スタッフが水商売を行っていることが、地域の噂で広まってしまうと、クリニックの来院数にも影響を及ぼすものと考えられます。
理由③他のスタッフの勧誘をしていれば解雇のリスクがある
水商売のアルバイトに限った話ではありませんが、副業をしているスタッフの中には、院内で勧誘活動を行っていることがあります。
今回ご相談いただいたケースでも、他のスタッフを勧誘していましたが、
たとえ紹介によるメリットがなかったとしても、立派な勧誘活動ですので、クリニックで定めている服務規程に抵触する恐れがあります。
院内での勧誘は処罰が重くなる
院内のスタッフに対して勧誘を行った場合、通常は服務規程違反となりますが、副業を行っているのがバレたことに比べて、受ける罰も大きくなります。
ましてや、今回の事例のように、他のスタッフを勧誘されては、複数人「副業で水商売を行うスタッフ」が出現する可能性もありました。
クリニックに大きなダメージなのは言うまでもありませんし、それを行った張本人ともなれば、減給や出勤停止の処分も考えられます。
「収入が足りないから副業する」という考えは否定しませんが、行うのなら、勤めているクリニックに迷惑をかけてはいけません。
まとめ
前述のとおり、副業を容認しているクリニックは稀です。
他の仕事をすることで、新しい知識を得たり、視野が広がったり、クリニックでは得られない体験を通して成長できるといったプラスの面もありますが、
本業と副業のバランスを間違うと、クリニックに大きな迷惑をかけることにもなりかねません。
医療機関にお勤めの方が副業をされる場合は、バレないようにすることが前提ですが、同時にバレてしまったとしても、落としどころを設定するのも、重要になるのではないでしょうか。