全員参加の新人教育で医療事務の離職率を下げる

クリニックでは、同じ部門のベテラン社員が新人教育を担当することが多いのですが、私は、負担を軽減する為に、ベテラン社員のみに新人教育を任せないようにする方法を提案します。

看護師にも同じことが言えるのですが、今回は医療事務を例にとり、先輩社員の負担と新人教育の効果についてお話していきたいと思います。

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教育の目的はそれぞれの「気づき」

新人教育の1番の目的は新人を戦力にすることですが、教える側も新た気付きを得て成長していくのが理想です。

また、離職率を下げることもできますので、院長先生をはじめとした管理者は新人教育を効果的に行えるよう、新人研修を理解することが必要です。

先輩社員からみた新人研修

新人に仕事を教える業務は、院長先生がお考えになっているよりスタッフに負担をかけます。そのため、1名に負担がかかり過ぎないようする必要があります。

特にクリニックの場合は、スタッフの回転も早いので、せっかく教育してもすぐにやめてしまうという状況が続くことも考えられます。

特に医療事務の新人は、未経験の方が入社する場合もあり、医療事務のいろはから教えなければならないため、非常に手がかかります。

先輩社員にとっても成長のチャンス

新人教育は負担は増えますが、先輩社員にとっては成長のチャンスでもあります。

仕事ができることと、教えることが上手いことはイコールではありませんし、教えることを通してスキルアップできるからです。

教えるスキルはひとりで上げることはできません。

その代わり、教えることを通して頭の中が整理され、仕事を外の視点から考えるスキルを身につけることができます。

また、考え方が整理されることで、新しいアイディアを出すことができるようになり、私は、教育担当を通じて仕事の質を上げることができると考えています。

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新人教育はベテラン以外のスタッフで行う

クリニックの医療事務が3名以上いる場合、1番ベテランの社員に新人教育をさせないというのもポイントです。

あくまで目安ではありますが、勤務歴が10年以上のスタッフは、新人の教育担当からは外しましょう。

1番のベテラン社員を新人の教育担当から外す目的は2つあります。

①広い範囲の仕事ができる

ベテラン社員は幅広く仕事ができる為、持っているスキルを考えると新人教育にまわしてしまうのが惜しい人材でもあります。

新人教育は時間的な制約も大きいので、広い範囲の仕事ができるという強みを生かすことができくなってしまいます。

「新人教育で負担がかかった分」のフォローを行っていただいたほうが効率的にクリニックを運営することができます。

②お局化している可能性

医療事務事務が看護師に指示!こんな時どうしたら良い?』でもお話したとおり、勤続年数が長くなることにより、慢心からお局化してしまうスタッフはそもそも新人教育には適しません。

残念ながら、多くを把握していることと、スタッフの教育ができることはイコールではありません。

新人に仕事の基本を教えるのであれば、新人時代が最近だった社歴の浅いスタッフの方がむしろ適任かもしれませんし、

特に新人スタッフは基本的なことですら1回では覚えられいこともあるので、「質問しやすい」という部分では、歳や勤続年数が近い先輩社員の方が適任ともいえます。

理想は全員が新人教育可能

理想は医療事務全員が新人教育の経験を積み、教えられるようになることです。

全員が同じ仕事をできるようになるためには、1番のベテラン社員のみができる仕事を減らす必要があります。

このような観点からも、全てをベテラン社員に丸投げを行うのは理想的とは程遠いので、院長先生を含む管理者の方は、組織のマネジメントを行うべきです。

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ベテラン社員の出番

では医療事務の社員教育にベテラン医療事務は必要ないのでしょうか。

もちろんそんなことはありません。

新人医療事務がある程度のレベルに育ち、業務の大枠を理解できてきた時は、1番のベテランの出番です。

ルーティーンの業務以外の、イレギュラーな業務への対応方法や、業務の効率化といった面での質問への回答は、ベテランの医療事務でなければ行うことはできないでしょう。

他のスタッフが同じ仕事をできることが恐い

ベテランスタッフの中には、このように考える方もいらっしゃいます。

院長先生をはじめ管理者の方は、業務の担当を決め、ベテラン社員の必要性をきちんとわかっていただいた上で仕事ができるよう、面談などで誤解の無いように伝えることも重要です。

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マニュアルの整備

だれでも新人教育ができるようになる為には、できるだけ業務をできるだけマニュアル化する必要があります。

クライアントにこのご提案をすると「医療はマニュアル化できない」とおっしゃる先生方は非常に多いのですが、医療事務や看護師の業務であればやってできないことはありません。

マニュアルをどのように整備するのかという点に関しては、また別の記事でお話しようと思います。

マニュアルの通りならOKという基準

ここで申し上げておきたいのは、マニュアルが形骸化しないように気をつけなければならないということです。

クリニックのような規模の小さい組織では、多くのものがケースバイケースで、「マニュアルどおりに行った」ということが良しとされない評価体制を導入していることが多いのですが、

マニュアルを整備する時に最も注意しなければならないことは、「マニュアルに書いてあることが絶対」という決まりを守ることです。

ドクターからすると、マニュアルに沿って仕事を行っていても、急変などの状況にはケースバイケースで対応してきた経験から違和感があるかもしれませんが、

特に医療事務の仕事は女性が多く、「こうすれば良い」という道筋をはっきりと示しておいたほうが働きやすさを感じていただけると思います。

マニュアル通りの対応で問題が生じた時は、マニュアルを更新することで対応するようにしましょう。

クリニック専門医療コンサルタント。
都内クリニックの事務長を11年経験し独立。
現在は関東圏のクリニックへ人材教育と採用活動を通したコンサルティングを行っている。医療事務・看護師の面接回数は合計800回を超える。

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