「診察料や薬代をクレジットカードで支払いたい」
患者様からこのようなご要望を頂くことがあります。
私の知る限り、クレジットカードを使用できるクリニックは増えてきていますが、会計時に制約なく使用できるクリニックもあれば「自費診療のみ使用可能」「5,000円以上の会計で使用可能」など制約を設けているクリニックもあります。
クリニックにクレジットカードを導入するメリットと、上記のような制約が存在する理由も考えてみましょう。
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クリニックでカードを使用する
クレジットカードの導入をするクリニックは増加傾向にあります。
クレジットカードの取扱いがないクリニックでは、会計時患者様の持ち合わせが足りない場合、銀行やコンビニエンスストアで引き出して再度ご来院いただく手段をとると思いますが、
クレジットカードの取扱いがあれば、この手間と回収漏れを回避できる可能性は高まります。
導入にあたり精算や現金の管理方法が一部変わりますが、医療事務の負担が増えるほどのことではないと思います。
クレジットカード払による医療費控除と医療事務の仕事に関しては下記の記事にまとめてあります。
カード払対応かどうかはクリニック次第
クリニックでクレジットカードを使用できることは、患者様にとってクリニックにとってもいいことばかりのようにも考えられますが、
カード払に対応しているクリニックとしていないクリニックがあります。
「医療機関では公平性を期すためにクレジットカードでの会計を行ってはいけない」
とお考えの先生方もいらっしゃいますがこれは誤解です。総務省の通達にもあるとおり医療機関でクレジットカードの使用を規制する法律はありません。
その為、前述のようなケースに対応する為にもクレジットカードの対応はしておくべきなのですが、実際には次のような理由でクレジットカードの導入を行わないクリニックがあります。
手数料を払いたくない
手数料の負担があるからクレジットカードの取り扱いを始めない
私も何人かのドクターにこのような理由でクレジットカードの導入案を却下されたことがあります。
クレジットカード使用時の手数料は物販や飲食店の場合支払金額の5%程度とされていますが、クリニックの場合は2%~3.5%程です。
保険診療のみのクリニックですと、窓口負担が高額になることは稀ですので、カード利用手数料を支払うメリットがないという考え方もありますが、
その一方でクレジットカード決済を導入することで未集金の発生を防ぐ方向にも働きます。
クレジットカードの導入を迷われている院長先生は下記の記事もご参照ください。
カードの使用が条件付の場合
クリニックでクレジットカードを導入するメリットは、患者様、クリニックそれぞれにありますが、中には「条件付で使用可」というクリニックもあります。
自費のみ使用可
保険診療ではカード会計はできないが、自費診療に関してはカードの会計ができる
というルールのクリニックは良くお見かけします。
理由は先述の手数料がかかるという理由である場合と、「保険診療はカード会計してはいけない」という思いこみから来ている場合があります。
合計金額で使用可能かどうかが決まる
もう1つの限定方法は合計金額で決まるパターンです。
自費限定の会計方法と合わせて使用されることも多いのですが、「会計が5,000円以上の時のみカード払可能」というようなルールがこれにあたります。
全てをカード会計するより支払うべき手数料は少なくなります。
まとめ
クリニックでクレジットカード支払を可能にするかどうかは、現状院長先生の判断に任されています。
また、保険診療の支払であっても、カード払の受付をすること自体に問題はありません。
「カード支払可能だから診療へ行く」という患者様はそこまで多くないかもしれませんが、未収金や盗難などのリスクが減ることを考えると、カード決済の扱いを検討するクリニックはもっと増えても良いのではないかと思います。