医療事務の募集の多くは「経験者のみ」という表記があります。
せっかく医療事務になる決心をし、医療事務資格の勉強を始めたり資格を取ったりしても、医療事務の経験がないために応募できるところが少なく、困っている方も多いと思います。
この点に関しては何かポイントがあるわけではなく、未経験可の求人を見つけるしかありません。
経験者と比べれば条件は悪くなりますが、経験がものを言う医療事務の世界では、まず経験を積むことは最優先です。
医療業界は他業界から見れば若干特殊といわれていますので、「未経験者が面接を受け合格するまで」のポイントについて確認しましょう。
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なぜ未経験者でも応募可能なのか
前述のとおり、それほど数は多くありませんが、未経験の方でも応募可能となっている医療事務求人は存在します。未経験の求人を探して早速応募を!!となってしまいそうですが、慌てずにまずは応募する前に考えてみましょう。
経験がものを言う医療事務という職種の募集で、未経験でも応募可能な理由はどこにあるのでしょうか。
未経験可となっている求人を出している理由は幾つか考えられます。
最終的には面接の際に確認すると良いと思いますが、私の経験では「未経験でも受け入れる理由」は次に上げる3つのうちのどれかと考えて差し支えないでしょう。
応募者の過去の経験を頼りにしている
私の知る限り、医療事務未経験の募集を行う理由の中で1番多い理由です。
例えば、
主に受付の応対を任せたいから接客業の経験を重視している。
売上の概念を持っている人材が欲しいので、営業の経験を重視する
などが考えられます。
これらのスキルを持っていたら大丈夫というわけではありませんが、未経験者の場合は過去の経験のウェイトが大きくなります。
よく「過去の経験から御社に役に立てればと考えています」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、具体的にどういうところに役に立つのかを考えましょう。
人件費を安く抑えたい
経営者側からの視点になりますが、未経験者の場合はそれを理由に給与を安く設定することができます。
未経験でも 3年程度現場で仕事をすれば、少なくともそのクリニックでは一人前となる傾向にありますので、先行投資という見方もできます。
このような場合は、使い捨ての人材になってはいけませんから、きちんと育てる環境があるのかを確認したほうが良いでしょう。
ただし多くのクリニックの研修方式はOJTですので、現場の中で学んでいくのが普通です。育てる環境があるといってもそれに過度に期待しない方がよいでしょう。
参照
そもそも経験者が来ない
経験者が来ないので採用のマーケットを広げているとも考えられます。
経験者が来ない理由は、給与や休暇など待遇面かもしれませんし、そのほかに理由があるのかもしれません。
面接を受ける前に、そのクリニックについてインターネットのクチコミなどを調べておいたほうが良いでしょう。
業界研究をしましょう
※未経験・資格なしから医療事務を目指すのであれば、『未経験で資格なしでも最短で医療事務になる方法』もあわせてご覧ください。
私は様々なクリニックで今も面接を行っていますが、未経験者の方の面接をしていると気になることがあります。それは業界研究をしていない方が非常に多いということ。
経験したことがないということは書面からもわかりますが、それでも医療事務はどういう仕事なのか、面接をお願いするクリニックが内科であれば、 内科のクリニックはどういう仕事をする傾向にあるのか、地域的にどういう患者さんが多いのかなどは事前に調べておくべきだと思います。
クリニックは独自性があるところが多いので、調べたことが全て当てはまるとは限りませんが、それでも基本はありますし、仕事のことをきちんと考えられる方であるという印象を残すことができます。
調べてわからなければ現場へ
クリニックの医療事務の仕事に関しては、インターネットで調べても情報が少ない場合もあるかもしれません。その場合は1回現場視察を行ってみてはいかがでしょうか。
以前未経験で面接し、今ではチーフスタッフになっている方がいらっしゃいますが、その方は患者さんとして 1回ご来院され、中の様子や医療事務の働き方を見て、雰囲気まで確かめた上で採用試験を受けられました。
全てのクリニックにそこまですべきとは言いませんが、医療事務の仕事をただの受付だと思っている方は、お仕事の内容をもっと調べた方がよろしいと思います。
志望動機を明確にしましょう
未経験者の方からは「志望動機をどう考えればいいですか?」という質問をよくいただきます。これは医療業界に限ったことではないと思いますが、嘘の志望動機はお勧めしません。
志望動機の考え方に関しては下記にまとめましたのでご参照ください。
未経験者がアピールするべきは「やる気」
どんなに考えても「この志望動機ならパーフェクト」というものはありません。
しかし、未経験者に必要なのは「やる気」です。
やる気といっても気合だけではどうにもならないので、独自に業界研究を行うとか、そのクリニックに行ってみるとか、何でも「教えてください」の人間ではなく、自分で考えて行動できる人間なんだとアピールすべきです。
経験の棚卸+業界研究でアピールする
経験がないわけですから、ご自身の経験からどのようにクリニックに貢献できるのかということはアピールしにくいかもしれません。
しかし、私は未経験者こそここでアピールするべきと考えています。
どのようにクリニックに貢献できるかをアピールするためには、いままでどんな経験をして何ができるのかという「経験の棚卸」が必要不可欠です。
この作業が甘いと薄っぺらなアピールになってしまい、「がんばります!やる気だけはあります!」という元気の押し売りになってしまいます。
現場に入ったときにどう貢献できるかということは、これら全てを凝縮してシュミレーションしたものですので、ここを何度も練り直しましょう。
クリニックで働くのに資格は必要か
クリニックで医療事務として就職する場合は資格は必須ではありません。
理由は資格の重要度がそれほど高くないということと、知識が役立つ機会が少ないからですが、だからといって無資格のままではアピールに欠けてしまうという問題点はあります。
当然資格を取得するメリットもありますので、詳しくは下記の記事をご参照ください。
医療事務の資格は役立たないのか
医療事務の資格を取得する際には、入院に関する知識と手術に関する知識が必要ですが、この知識はクリニックでは一切使用しません。
感覚としてですが、医療事務の資格を取得する為に勉強したことのうち、 4割使用できればいいかなといった程度です。
しかし未経験で資格がない場合は書類選考で落とされる可能性も高いので、クリニックによっては要医療事務資格となっているところもあります。
もしこれから資格を取得しようと考えているのであれば、勉強をしながら就職活動を並行するという方法をお勧めします。
服装はスーツに
最終的にはその方のスキルより印象が決め手になることもあります。
面接時はきちんとした態度をとり、服装はスーツにするのが無難です。特に医療業界は保守的な先生も多いので、スーツで面接へ行ってマイナスになることはないでしょう。