クリニックで待ち時間が出てしまう理由とクレームの対処法

クリニックで待ち時間が出てしまうのは、ある程度は仕方なのないことではありますが、

この「仕方ない」をご理解いただけない患者様も多く、結果として、医療事務が受けるクレームの中で、大きなウェイトを占めるのが、待ち時間に関するクレームです。

このようなクレームに対処する為には、待ち時間が発生してしまうメカニズムを、明確に説明する必要があります。

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診療前の待ち時間が発生してしまう理由

クリニックの場合、診療前の待ち時間は、単純に前の患者様の数である程度決まってしまいます。

特に予約制ではないクリニックの場合は、混みあっている時間帯を希望する程に、待ち時間も多くなる傾向にあります。

診療時間は短いのに・・・

診療科目にもよりますが、保険診療の場合、重篤な症状ではない限り、診察は長くても5分程度であることが多いので、診療時間と待ち時間に大きなギャップが生じます。

しかし、患者様のご症状は1人1人異なり、初診の患者様の場合は、再診の患者様と比べ、診察に時間がかかる傾向にありますし、

緊急性がある患者様を先に診るというケースもありますので、順番を後回しにされているというケースもありますので、医療行為以外のことで待たされているというケースは少ないことが多いです。

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予約制の場合の待ち時間

予約制のクリニックでも待ち時間に関するクレームはあります。

その数はクリニックごとに異なりますが、「予約しているのに待ち時間が出る」とう状況に納得できない方も多いのではないかと思います。

どの程度を大幅と言うかには個人差がありますが、30分から1時間待ち時間が出てしまうと、予約の概念に違和感が出てしまうと推測します。

「予約」なのに待ち時間が出てしまう理由

考えられる理由を幾つかご紹介します。

1人あたりの診療時間の設定

まず考えられるのが、1人あたりの診療時間が小さく見積もられていること。

実際はここまで単純ではありませんが、「初診の患者様は1人10分、再診の患者様は1人あたり5分で診療が終わる」というシュミレーション通りに診療が進まなければ、

患者様の待ち時間として計上されてしまいます。

予約外でも断れない

「予約外の患者様を断るわけにはいかない」という理由もあります。

医師には、医師法第19条で、下記のように「応召義務」が定められています。

診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

医師法第19条第1項

この「正当な事由」の解釈には様々な意見がありますが、さすがに「予約外」はこれには当たらないというのが大方の意見です。

予約外なので待ち時間が出ることに関しては問題ありませんが、予約外を理由に診療を断ることは出来ないのです。

保険診療の予約には限界がある

私は、クライアントに対して、予約制での運営をお勧めしておりますが、お勧めするのはあくまで予約優先制であって、完全予約制ではありません。(このあたりはまた別の記事でお話します。)

そもそも、私は、保険診療で「完全予約制」を実現するには限界があると考えています。

患者様のご症状により、診療時間が異なりますし、3時間、4時間と診療を行っていれば、予定通りに進まない診療も1つや2つでは済まないのではないでしょう。

また、この状況では、1人あたり予定より1分長くなってしまっただけでも、相当な時間の待ち時間が出ることになります。

経営から考える「予約」

「そうであれば、1人あたりの診療時間を長めにとって、予約時間に診療を始められるようにしてはどうか?」という意見もあります。

しかし、自費診療ならまだしも、保険診療では、経営面で成り立たなくなってしまいます。

また、保険診療の場合は、予約をキャンセルした場合の違約金を請求することもできませんので、余裕をもった予約を設定した時の経営リスクも大きくなります。

「ドクターは儲かっている」というイメージは非常に根強いものがありますが、昔は「倒産はない」といわれていたクリニックも、現在では現実味おびてきています。

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診療後の待ち時間

診療後の待ち時間に関してもよくクレームをいただくことがあります。

「診療が押して待ち時間がでるのは仕方ないが、診療後の会計までの待ち時間が長いのは納得いかない」とお考えの方も多いのではないかと思います。

保険診療の現場では、診療後の患者様の診療内容を確認し、医療点数に基づいて会計を行いますが、

特殊な検査項目や、処方の確認など、診療が終わったとも、医療事務の仕事が続いています。

これらの仕事は、患者様から見えない場合がほとんどですので、その大変さがわかってもらえないときもあるでしょう。

中には「カルテが一時行方不明になっていた」など、クリニック側のミスで診療後の待ち時間が長くなってしまうケースもあります。
目安として、15分以上経過しても会計に呼ばれないときは、確認に行くのも良いと思います。

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待ち時間クレームの対処法

クリニックの場合、待ち時間に関するクレームの対処を行うのは、看護師か医療事務ですが、医療事務は受付にいることが多い分、その機会は看護師より多いと言えます。

実際問題、患者様1人に費やす診療内容を完全に予測することは不可能ですので、保険診療のクリニックで待ち時間が出ることは、仕方のないことともいえます。

この点は患者様にご理解いただくしかありませんが、クリニックにも工夫すべき点はあります。

待ち時間を快適に過ごしていただく

待ち時間が出てしまうのであれば、その時間をできるだけ快適に過ごしていただけるように工夫するという方法です。

例えば、テレビや飲み物、簡単なお菓子等を置いたり、お子様連れの患者様の為に、キッズスペースを設けたり、院内の雑誌を充実させたりするなどの方法があります。

診療時間管理システムの導入

その他にも、診療開始時間管理のシステムを導入して、順番が近づいてきたらメールで連絡するという方法もあります。

1度クリニックで受付を済ませ、待ち時間の間に、買い物など他のことを行え、時間を効率的に使用できるというメリットがあります。

システム導入の費用面と、もしメールを見逃してしまった場合どのような対応をするかなど、新しいルール作りをしなければならない点は、デメリットに該当するかもしれません。

最後に

待ち時間のクレームは、ある程度の数は不可避です。待ち時間のクレーム1つとっても、中には理不尽なものもあるかもしれませんが、

対応を繰り返していくと、自分に自信がついていくというメリットもあります。

クレームを受けた経験が次に活かされれば、待ち時間以外のクレームにも、動じずに正しく対応できるようになります。

特に医療事務になったばかりの方は、クレームの内容をしっかり把握し、対応方法の評価まで、今から学んでおいた方が良いのではないかと思います。

もちろん、毎日クレームばかりでは、メンタル的に大きな負担になってしまいますので、適度な塩梅は必要です。

クリニック専門医療コンサルタント。
都内クリニックの事務長を11年経験し独立。
現在は関東圏のクリニックへ人材教育と採用活動を通したコンサルティングを行っている。医療事務・看護師の面接回数は合計800回を超える。

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