求人票といってもハローワークからとらばーゆをはじめとしたインターネット媒体まで様々ですが、医療事務の採用試験を受ける際、まず注目すべきは、診療時間、休日、給料、福利厚生であると考えます。
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見るべきは休日、給料、福利厚生の4つ
診療時間、休日、給料、福利厚生の4点は求人票を見る上で基本中の基本です。
「ちゃんと確認している」という方がほとんどだとは思いますが、医療機関特有の事情がある場合も踏まえてより詳細にシュミレーションしましょう。
スタッフ間の仲が良いクリニックがいい
「条件よりスタッフの仲が良いこと」という項目を上げる方もいらっしゃると思いますが、求人票に書かれている文字を鵜呑みにするのは危険ですし、実際のところ働いた方のみぞ知ることになりますのであまり気にする必要はありません。
そもそも求人票にマイナス面を書くことは稀ですし、女性の職場であれば、「スタッフ同士の仲が良い」とされている職場にも多少のいざこざはあると考えておきましょう。
この点は求人票より実際に面接でクリニックへいってみてから判断したほうが良さそうです。
診療時間
クリニックの診療時間はそれぞれ自由に設定されています。週休2日制のクリニックもありますし、シフト制のクリニックもあります。
東京近郊で多く見られる設定方法は、毎週木曜日が休診日であることが多く、朝9:00前後~13:00頃、15:00頃~19:00頃の設定を多く見かけます。
※地域や診療科目、診療形態により異なります。
チェックすべきは診療終了時間
患者様からすると、「夜遅くまで診療を行っている」ということは良いことかも知れませんが、勤める看護師や医療事務からすれば、帰宅時間が遅くなることは避けられません。
診療時間が長いことは長時間勤務を意味しますので、医療事務の求人に応募する際は診療終了時間を必ず確かめるようにしましょう。
勤務時間は労働基準法の通り8時間でも、朝9:00~12:00、お昼休み12:00~15:00、午後診療15:00~20:00など、診療終了時刻が遅い場合も考えられますのでチェックが必要です。
クリニックの診療時間はどう決められている?
「患者様が来院しやすい時間」と「院長先生のプライベートを考えた診療時間」になっている場合があります。
特にクリニックでは院長先生のお考えによるところが大きいため、
前者では比較的夜遅くまで行っていたり、土曜日や日曜日の診療を午前午後通して行っていたりするケースが多く、後者の場合は診療時間が短かったり、休みが多かったりすることもあります。
休日・休暇
休日や休暇には様々な書き方があります。
週休2日制、月8日、毎週木曜日休診、夏期冬期休暇あり。
これ以外にも表現の仕方は数パターンあります。同じ状態のことを言っているのに表現方法が異なることもあります。
シフト制か固定休か
これらの休みに関して大きく関わってくるのが「シフト制」かどうかという点です。
シフト制の場合は働く人数やクリニックの状況によっては休日出勤が考えられたり、シフトがなかなか決まらず先の予定が立てられないなど、スタッフ側からみたデメリットが多いので注意が必要です。
病院では多くの場合シフト制ですが、クリニックの場合は固定休のところを探してみるのも良いかもしれません。
「シフト制」という表記が無くても、決まった休診日が週1日以下の場合はシフト制の可能性大ですので、面接の際にも必ず聞くようにしましょう。
お子さんのいる方も大歓迎!の表記の理由
「お子さんのいる方が働きやすい環境を整えている」などのうたい文句を見つけた際も疑ってかかるほうが無難です。
託児所を併設しているならともかく、スタッフにお子さんをお持ちの方がたくさんいる場合は、お子様に関するイベントで休みが重なってしまうことも考えられます。
クリニック経営のことを考えると、お子様の体調などの理由で休まれるリスクが高い状況はどうしても敬遠されがちです。
率先してそのような状況の方を集めているクリニックは、それだけ人員不足(=労働環境が悪い)とも考えられます。
福利厚生
特に医療事務は収入が低い場合が多いので、医師国保に入ることが負担になる場合が考えられます。
医師国保については下記の記事をご参照ください。
地域により保険料に差が出るものの、求人票に記載されている給与額はあくまで額面なので、ここから保険料、厚生年金、雇用保険、労災保険料が惹かれることになります。
医師国保と厚生年金
「将来のことを考えて年金を払うべきなのか」という話に関しては専門家に譲りますが、(20歳以上60歳未満の方には国民年金は加入義務があります)
そもそも厚生年金は加入していれば支払わなくてはならないもので、週30時間以上の労働をされている方の場合は個人の意思で加入するかどうかを選ぶことはできません。
医師国保も勤めるクリニックが医師国保に加入していれば、自分も加入することになりますが、加入する保険は求人票に書かれていることが多いので、医師国保かどうかという点は必ずチェックするようにしましょう。
特に扶養家族がいる場合は負担が大きくなるので注意が必要です。
給料
求人票の核となる部分です。
給料を確認する際に2つ注意点があります。
<参考>『給料が安くても医療事務が人気職業なのはなぜ?』
給与額に開きがある場合
給与額を確認すると、『18万円~21万円(各種手当込)』など、給与額が開いている場合があります。
クリニックによっては評価制度があり、実力によって昇給制度がある場合も考えられますが、私が採用試験を受ける立場であれば、「現在21万円のスタッフがいるか」という点を必ず面接で質問します。
最近は「見せ金」のように高い給与を記載しておきながら、実際には実力がどうあれ最低給で雇おうとしているクリニックがあるようですので注意が必要です。
みなし残業があるか
もう1点注意しておきたいのは、「みなし残業の有無」です。
みなし残業とは一定時間分の残業時間分の給与を先に払ってしまう方法で、1ヶ月を通して残業がなかったり、設定された時間より少なかったりしてもその額が支払われるのですが、これがかなり厄介です。
みなし残業が含まれていると給料が高く見える
みなし残業が含まれていると月間総支給額が高く見えますが、「みなし残業を除いた実際の給与額は幾らなのか?」という点を計算しておかなければなりません。
この計算を怠ると実際には相場より低い給与で雇用されていたということになりかねませんので注意が必要です。
また、仮に「みなし残業10時間分を含」という記載がある場合、残業が10時間以下の月はないことが前提で考えておくのが無難です。
下記の記事で書いている通り、みなし残業があるだけで労働環境が悪いというわけではありませんが、実際の給与額は把握しておきましょう。
給料の相場やシステムに関しては下記の記事にまとめているのでご一読ください。