仕事ができない医療事務!その原因は院長先生にあるかもしれない

クリニックの院長先生とお話していると「うちの医療事務は仕事ができなくて・・・」というお話をよく伺います。

視察のために現場に入ってみると、院長先生のおっしゃっていることがわかる反面、現場が上手くまわっていないのは、特定の医療事務スタッフが仕事ができないのとは別に原因がある場合もよくあります。

スタッフ個人の実力に頼りきりの組織は今後のことを考えると良いとは言えません。

また、医療事務のスタッフを育てる環境がないと、常に採用を行わなければならなくなり、結果院長先生の仕事を増やすことにもつながります。

では、そのような組織では何が起きているのでしょうか。私の体験で恐縮ですが、幾つか考えられるパターンがありますのでご紹介します。

院長先生を悪者にしている書き方が目立ちますが、どうぞお気を悪くなさらないでください。少しでもクリニックの環境改善にお役立ていただければ幸いです。

スポンサーリンク

意図的にパフォーマンスを下げる

本当はもっと能力があるのに、本人の意思でパフォーマンスを上げないケースです。

本当はもっと仕事ができるのですが、「できる」と思われることによって大きな負担がくることを予想して、あえてそこそこを装っているケースや、高圧的な指導によってスタッフがすねてしまっている場合などが考えられます。

全体的に院長先生とスタッフの関係がよくない時に発生します。

特に院長先生が高圧的な方の組織ではこのケースが多く、医療事務のスタッフも「どうせできないと思われるなら・・・」「できると思われても仕事が増えるだけ・・・」と前向きになっていない状態であることが特徴です。

また、このような組織の院長先生程、ご自身の評価に自信を持っていらっしゃり、評価表などのツールをお使いでないケースが多いのも特徴でしょう。

明確な評価基準と評価表が解決の鍵

考えられる改善策としては、スタッフのどこを評価しているかを明らかにし、評価表を用いるなどして、できるだけ公平な判断をすることです。

院長先生が全員を平等に扱っているつもりでも、医療事務や看護師などのスタッフ側から見るとそうではないケースは多いですし、後から評価の項目を増やし、増やした項目まで達成していないと評価しないといった、いわゆる後出しじゃんけんは控えなければなりません。

参照:医療事務へ最適な人事考課を!評価制度と規則がスタッフの成長の鍵

スポンサーリンク

院長先生の求める1つ目のハードルが高い

ドクターからみると「医療事務のスタッフはこんなこともわからないのか」と思われるケースが多いようです。

院長先生が設定する1つ目のハードルが高すぎることが原因である場合が多く、最終的なゴールを1つのハードルで片付けてしまい、結果ほとんどの医療事務スタッフがそのハードルを越えられないという結果に終わります。

低めのハードルを細かく越えられるように

医療事務のスタッフの中には、ドクターのような学力の基礎がない方もいらっしゃいますので、院長先生の言っていることが理解できないスタッフがいたとしても不思議ではありません。

院長先生はこれを前提に低めのハードルを用意し、順を追って理想のスタッフとなるように育てる環境を整えていく必要があります。

院長先生は経営者であり、スタッフとはそもそも立場も異なりますので、スタッフに同じベクトルを向いてもらうには相応の工夫が必要です。

全員が同じ方向を向き、経営感覚を持つということは、理想的な組織にする上で非常に重要ですが、そもそも経営感覚を持っているスタッフの数は少ないので、始めの一歩から教えていかねばなりません。

参照:クリニック経営ではスタッフに経営と売上の意識を持たせることが鍵

マニュアルを用意する

解決策はマニュアルを用意することでです。

医療事務の仕事はイレギュラーな対応が多いので比較的マニュアルにはしにくいのですが、最低限行って欲しいことをマニュアル化します。

ベストな対応でなくても、マニュアル通りに行っていればとりあえずOKという評価の元に作成することがポイントです。

間違っても、マニュアルどおりに仕事を行ったスタッフをしかりつけてはいけません。

マニュアルが現状に沿っていなければ、マニュアルの方を変更、もしくは項目を追加し、常にバージョンアップさせていくことで、スタッフの仕事感覚も研ぎ澄まされていくでしょう。

院長先生の反応

ちなみに、マニュアルの話をすると院長先生の反応は次のうちのどちらかである場合が多いです。

1つ目は「うちには既にマニュアルがある!」という回答です。

しかし同時にこのマニュアルが機能をはたしていないことが多く、形だけのマニュアルになっているということは見逃せません。

2つ目は「よし!スタッフに作らせる」と意気込むもの。

しかし、ただ「マニュアルを作れ!」と指示をだしても、作成するスタッフが「マニュアルを必要としている理由」を理解しておらず、結局機能しないものが出来上がるというケース。

また、指示系統をきちんとしていないと、「余計な仕事が増えるのに給料は変わらない」という不満の種を育てることになってしまいます。

スポンサーリンク

形だけスタッフの意見を聞く

クリニックという小さな組織ではワンマン経営になりがちです。

「うちはスタッフに広く意見を求めている」とおっしゃる院長先生でも、実際には意見を聞くだけでほとんど採用しないというケースもあります。

こうなってしまうと、医療事務スタッフは意見を採用されないことで、だんだんやる気を失ってしまうでしょう。

不思議なことに、このようなクリニックでは、毎週のように全体ミーティングが行われているケースが多いのです。

役に立たない全体ミーティングの特徴

スタッフの意見を広く聞くという院長先生のお考えは大変すばらしいのですが、提案内容を頭から否定されてしまっては提案したスタッフも面白くありません。

思い当たる節がある院長先生は、是非もう少しスタッフのプライドを考えてあげると上手くいきます。

また、これらの全体ミーティングはほぼ強制参加で、多くの場合レジュメもありません。

中にはミーティングとは名ばかりで、愚痴の言い合いになってしまったり、ミーティングとしての機能が怪しいものもあります。

レジュメを用意して時間内にスマートなミーティングを

解決策はまずレジュメを用意することです。できれば院長先生自ら作成してください。

レジュメは前もって配布し、スタッフ各自の考えを前もって明らかにしてきてもらいましょう。

当日はミーティングの時間を決め、時間内に終わらせるよう自ら指揮をとるのが良いでしょう。意見を集めた結果、採用できそうな案はどんどん採用し、案を出したスタッフを褒めてあげることができればパーフェクトです。

クリニック専門医療コンサルタント。
都内クリニックの事務長を11年経験し独立。
現在は関東圏のクリニックへ人材教育と採用活動を通したコンサルティングを行っている。医療事務・看護師の面接回数は合計800回を超える。
スポンサーリンク
横棒

関連型ユニット レスポンシブ

おすすめの記事

横棒

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする