御侍史は使用不可!医師宛のメールで気を付ける4つのポイント

御机下と御侍史の読み方と意味と使い方の違いは医療事務なら必須の知識』でもお話ししましたが、「御侍史(おんじし)」は主に医師宛に使用される脇付けです。

ただ、個人を特定しない形式で使用する脇付ですので、メールでは使用しない方が良いと思います。では、どのようにメールを送るのが正解でしょうか。医師に送るメールで気を付けるべき点をまとめておきます。

Contents

メールの書き方に正解はない

正確に申し上げるとメールに書き方の正解はありません。ただ、医師へメールを送る際のマナーで自分の印象を悪くしたくないと考えている方は多いはずです。

医師へメールを送る際は、メールの内容を明確に伝えることはもちろんですが、「御侍史」など医療業界特有のマナーまで守らなければいけません。

しかし、困ったことに「この文章を送っておけば大丈夫」のような医師宛メールの模範解答はありません。同じ文面を送ったとしても先生のお立場や環境によっては失礼に当たる可能性があるからです。

院内の医師宛にメールを送る際など、気を使えない医療事務も多数いらっしゃるなかで、医師にメールを送るにあたりこのページを検索してご覧になっている医療事務の方は優秀な方だと推測します。あくまで私の書き方ですがご参考になれば幸いです。

また、医療事務のみならず、医療業界に関わる営業職など医師と頻繁にやり取りされる方のご参考になれば幸いです。

医師宛のメールで気を付けたい4つのポイント

あくまで私の書き方を例にお話ししたいと思います。

前述のように正解はありませんが、有識者の方からのご指導もお待ちしております。(ご指導いただける場合はこちらよりお願いいたします。

メールアドレスの登録は初めにしておく

意識している方は少ないかもしれませんが、メールでは送信者が登録した名前が表示されます。

アドレスが間違いなく打ち込まれていればメールは届きますが、このように細かいところまで見ている先生は見ています。(もちろん全員ではありません。)

特にクリニックの院長先生など、周りに口の上手い人が多い場合などは、10分程度話しただけで相手の本質を見抜くのは難しいものです。口では「尊敬しています」などと言っていても、このような細かい部分で手を抜く方は信用できないと考えられる先生も、実際何人もお会いしています。

「神は細部に宿る」ではありませんが、メールアドレスの登録方法は徹底しておきましょう。

私はこうしている

・私は「●●クリニック(病院) △△(フルネーム)院長先生」のように、医療機関名・フルネーム・役職で登録しています。

・「山田 太郎 先生」のように個人名+「先生」のみの登録でも良いと思います。

・登録名には必ず「先生」を入れましょう。

メールでは御侍史と書かない

医師への手紙は「●●先生 御侍史(御机下)」のように脇付を使用しますが、本来の意味から考えて侍史は使用しない方が無難です。

メールでは「御侍史」を使わない理由

「侍史」とは現在で言う秘書のような役割の方を指します。

電子メールであればご本人に届くはずなので、本来の意味を逸脱しています。※そもそも侍史がいらっしゃる先生はごく少数です。

参照御机下と御侍史の読み方と意味と使い方の違いは医療事務なら必須の知識

メールの宛名は所属の所属と役職を書き、医師のフルネームとするのが正式な書き方ですが、

医療法人社団△△会
●●クリニック
院長 ●●先生(もしくは●●院長先生)

医療法人社団△△会
●●病院●●科
●●先生

のように書くと良いでしょう。

御侍史を使用する業者もいる

メールに「●●先生 御侍史」と記載している営業担当の方もいらっしゃいます。

紹介状を含む医師宛の手紙のほとんどに「御侍史」もしくは「御机下」の記載があるため、付ければ丁寧になるだろうという感覚なのかもしれませんが、ルに御侍史の記載がないことで悪い印象になることはまずありません。

あえて申し上げるならご年配の医師宛の際は私も若干迷います。ただそれでもメールでは御侍史などの脇付は使用しません。

件名と本文は簡潔に

簡潔すぎず、かといって長らくなりすぎないよう、件名で概要がわかるようにしなければなりません。

●●のお知らせ
●●の打合せに関しまして

のように、概要がわかるように件名を入れます。

毎年4月になると営業メールが増えますが、単に「お知らせ」の件名で送られてきたり、本文かと思えるほど長い件名を入れているメールも見かけますが、どちらも迷惑メールのように扱われてしまうので注意が必要です。

日時を記載するときは注意

「簡潔に」といっても、勉強会のお知らせなど、日時を省略してはいけません。

「令和3年2月28日 金曜日」のように、和暦の元号から曜日までを記載してください。

・曜日の部分は(金)としても問題ありません。
・西暦でも問題ありませんが、医療業界では和暦がスタンダードです。

冒頭のあいさつは「平素より大変お世話になっております」

必ずこれでなければいけないわけではありませんが、私が医療業界に入りたての頃にご指導いただいた先生からの指導を踏襲しています。

医師同士ではよく使われる冒頭文なので、特に30代後半以降の先生に送る際に使用するようにしています。

「初めてコンタクトをとる場合は言葉の意味からして適切ではないのではないか」という意見もあると思いますが、紹介状などの医師同士のやり取りでは初対面でも使われるため、違和感を覚えられることは少ないと考えています。

医師の受信環境を考える

近年はスマートフォンが普及し、メールを読むのにパソコンを開かない先生も多く、受信環境は多様化しています。

私の場合、先生がどのようなデバイスで普段メールをご覧になっているかは必ず把握するようにしています。

自分の所有している端末と同じ場合は、自分の送ったメールがデバイス上でどのように表示されるかも確認したうえで送信することもあります。

先生によっては「前置きはいいから用件のみメールしてくれたらすぐ返すよ」というスタイルの先生もいらっしゃるので、優先順位は形式ではなくご希望に答えることです。

改行して見やすくする

先生が使用されるデバイスがスマートフォンやタブレットの場合は特に改行に注意してください。改行せずに長い文章を打ったときにスルーされてしまうケースはスマホでより顕著です。

あまり改行が多い文章は正式ではないかもしれませんが、スマホ、タブレット、パソコンなど、先生が使用されるデバイスに合わせて改行のスタイルをチョイスするのがお勧めです。

添付ファイルがある時は注意

スマートフォンで受信する先生宛のメールは、添付ファイルにも気を使わなくてはいけません。

研究会の案内などチラシ形式になっているものは、PDFなど、どのデバイスから見ても同じように見えるものを選択するのが無難です。スマートフォンではワードやパワーポイントなどの資料はレイアウトが変わってしまう可能性があるので、その点にも気を遣うのが良いでしょう。

iOSの場合はさらに注意

私の失敗談ですが、先生からいただいたメールの返信にファイルを添付したところ、添付ファイルが引用メールの最下部までいかなければ表示されず、気づかれずにスルーされてしまったことがあります。

それ以来、iOSのデバイスで受信される先生に添付ファイルを送信する際は新規のメールをお送りすることにしています。ややご年配の先生がスマートフォンでメールを受けていらっしゃる場合は、操作方法をお教えしながらコミュニケーションを取る場合もあります。

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